ブロックチェーンで動作するIBMのプラットフォームが、ぶどう園から地元の商店の棚まで、ワインを追跡する方法を人々に提供している。

12月10日の発表によれば、IBMはワインモニタリング会社eプロヴィナンスと提携し、VinAssureプラットフォームをリリースした。IBM Blockchain Transparent Supplyを基盤に構築されたVinAssureはIBM Cloud上で動作し、ワイン生産者や輸入業者、輸送業者、卸売業者、飲食店、小売業者、その他の関係者が「許可を与えられた恒久的な共有のデータ記録を通して」ボトルのサプライチェーンを追跡できるようにするという。

VinAssureの会員には、年間2200万ドルの収益があるノースカロライナ州のワイン輸入業者デ・メゾン・セレクションズも含まれる。IBMは、ボルドーを拠点とするワイン醸造業者メゾン・シシェルと、サント・ミシェル・ワイン・エステートの輸出部門が、間もなくこのブロックチェーンベースのサプライチェーンシステムを利用する意向であると述べている。これにより、「世界中のサプライチェーンを通って移動している数百万本のワインのボトル」が追跡できるようになる可能性があるという。

「ワイン業界の未来は、検証可能な起源、透明性、そして追跡可能性にあると信じている」と、デ・メゾン・セレクションズの所有者アンドレ・テイマーズ氏は言う。

このIBMのシステムにより、ワイン愛好家たちはボトルに表示された識別コードを使って、「産地や風味情報」に加え、オーガニックやバイオダイナミック、サステナビリティの実践に関する全ての基準も知ることができるという。また、ぶどう園から店頭に届くまでブロックチェーン上で検証され、保存された、ワインに関する情報にもアクセスが可能になる。

これまで食品サプライチェーンの監視や追跡に、IBMのサービスを利用してきた企業は他にもある。6月にはITインフラプロバイダーのアテアASAが、ノルウェーの10億ドル規模のシーフード業界のサプライチェーンデータを共有するための基礎としてブロックチェーンを利用するために、テック企業やシーフード生産業者との提携を提案した。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン