仮想通貨取引所ビットフィネックス(Bitfinex)が5日、新たなに主要ステーブルコイン5種の取引を開始すると発表したビットフィネックスといえば信用問題でゆれるテザーとの関係が批判の対象となっていただけに、他のステーブルコインをフェアに扱うことで批判を回避する狙いがあるかもしれない。

ビットフィネックスが取引を開始するステーブルコインは、USDコイン、トゥルーUSD、パクソス、ジェミナイUSDとDAI。DAIは法定通貨ではなく、仮想通貨イーサリアムを担保にしている点が有名だ。上記のステーブルコイン5種は、ERC20トークンを扱うビットフィネックスのプラットフォームであるイーフィネックスでも取り扱い開始となる。

「ビットフィネックスとイーフィネックスは、すべてのエコシステムと利用者に対して高品質で公平な場所を提供することに全力を尽くしている」

ビットフィネックスとテザーのCEOは同一人物であることが知られている。テザーは、米ドルと1対1で連動するステーブルコインと主張しているものの、市場から本当に十分な準備金があるのか疑問視する声が噴出。テザーは売られ10月中旬には一時0.85ドルまで下落し、事実上米ドルとの1対1固定レートで交換できなくなっていた

また10月にブルームバーグが、ビットフィネックスの銀行パートナーであったプエルトリコのノーブルバンク(Noble Bank)が、ビットフィネックスおよび仮想通貨テザー(USDT)との関係を解消し、買収先を探していると報道。ビットフィネックス自身も債務超過にあるのではないという観測が浮上した。ビットフィネックスはブログで否定している

一方、ステーブルコイン自体に対する注目度は業界内で高まっている。ステーブルコインを上場させる大手取引所が相次いでいる他、日本国内でも来年後半にはステーブルコインが使われ始めてもおかしくないというみる専門家もいる。