巨額損失をテザーで補填したなどとしてニューヨーク州の司法長官に訴追されたビットフィネックスが、26日午後、訴追に対する反論声明を出した直後、自社のウォレットから巨額仮想通貨を引き出したようだ。

仮想通貨取引所ビットフィネックスは26日、自社のビットコインのコールドウォレット(オフライン上のウォレット)から1万7250BTC(約100億円)もの資金を引き出した。ブロックチェーン上の取引データを分析したThe Blockが26日に報じた

記事によると、ビットコインが引き出された時間は、日本時間4月26日15時35分。現在の残高は約10万2285BTC(約590億円)

また、ビットフィネックスのイーサリアムのコールドウォレットから63万3300ETH(約111億円)も引き出されたそうだ。ビットフィネックスの所有するBTCとETHの約20%が引き出されたことになるという。

引き出されたBTCとETHの行き先はわかっていないという。

25日、ニューヨーク州のレティーナ・ジェームズ司法長官が仮想通貨取引所ビットフィネックスステーブルコインテザー訴追。提携先でパナマに拠点を持つ決済サービス企業クリプト・キャピタルで生じた8億5100万ドル(約953億円)もの損失補填の為、7億ドル(約784億円)のテザーを使っていたという。

ビットフィネックスは、NY州の当局に対して反論声明を出し「間違った断定による欠陥だらけの文書で悪意を持って書かれている」と批判した

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