ビットコインの価格が短期的に下落すると見込んで、あるビットコインクジラ(大口投資家)が数億ドル規模の賭けに出ている。今週は、ビットコインの動向や投資家のリスク選好に大きな影響を与え得る重要な経済指標の発表が相次ぐ予定だ。

この大口仮想通貨投資家は、レバレッジ40倍のショートポジションとして4,442BTC(約3億6,800万ドル相当)を保有しており、事実上ビットコイン価格の下落に賭けていることになる。

レバレッジポジションは借入資金を使って投資規模を拡大する手法であり、利益も損失も通常の投資より大きくなるため、リスクが非常に高い。

このビットコインクジラは84,043ドルの水準でポジションを構築しており、ビットコイン価格が85,592ドルを超えれば強制清算となる。

Source: Hypurrscan

Hypurrscanのデータによると、当該投資家は現在200万ドル超の含み益を抱えている一方で、資金調達コストで20万ドル以上の損失も出している。

レバレッジ取引のリスクが高まる一方で、この戦略で巨額の利益を上げる投資家もいる。例えば3月上旬には、イーサリアム(ETH)の11%下落に賭けた50倍レバレッジのショートポジションで、あるトレーダーが6,800万ドルの利益を得た。

今回の大規模なショートポジションは、3月19日に予定されている米連邦公開市場委員会(FOMC)会合など、複数の重要なマクロ経済指標発表を控える中で行われたものだ。これらの指標は、ビットコインのようなリスク資産への投資家心理に大きな影響を与える可能性がある。

FOMC前の下落回避には「8万1,000ドル超え」が必要

ビットコイン価格は、世界的な関税やマクロ経済の不確実性によって大幅な下落リスクに直面している。

Bitgetリサーチの主席アナリスト、ライアン・リーはCointelegraphに対し、FOMC前に下落を回避するには週足で8万1,000ドル以上を維持する必要があると述べた。

リー氏はこう語っている。

「週足で注目すべき水準は8万1,000ドル。これを維持できれば底堅さを示すことになるが、7万6,000ドルを下回れば短期的な売り圧力が強まる可能性がある」

FOMC会合を目前に控えた中での発言となったが、最新のCMEグループのFedWatchツールによると、市場は98%の確率で金利据え置きを予想している。

Source: CME Group’s FedWatch tool

リー氏はさらに「市場はおおむねFRBが金利を据え置くと見ているが、もし予想外のタカ派的なシグナルが出れば、ビットコインや他のリスク資産に圧力がかかるだろう」と指摘している。