米財務長官スコット・ベッセント氏が、戦略的準備金および別枠のデジタル資産保有分向けにビットコインを追加購入する計画はないと発言したことを受け、木曜日のビットコイン価格は重要な支持線を割り込んだ。

ビットコイン(BTC)は、心理的節目である12万ドルを下回り、コインテレグラフのデータによると記事執筆時点で11万8,730ドルで取引されていた。この数時間前には過去最高値の12万4,457ドルを付けていた。

下落のきっかけとなったのは、ベッセント氏がフォックス・ビジネスのインタビューで「ビットコイン準備金は設けたが、新たに購入することはない。押収資産を活用して積み増していく」と語ったことだった。

ドナルド・トランプ米大統領は3月6日、大統領令に署名し、戦略的ビットコイン準備金と別枠のデジタル資産保有分の設置を命じた。いずれも政府の刑事事件で没収された仮想通貨を初期資源とし、「米国納税者に追加負担をかけない」予算中立型の手法での追加購入も可能とした。

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Scott Bessent interview. Source: Foxbusiness.com

3月、ベッセント氏はCNBCやホワイトハウスの暗号資産サミットで、押収したビットコインの売却をやめ、既存の規制枠組みの中で国内保有に切り替えるべきだと主張していた。被害者への補償後に残ったビットコインは国家準備金に組み入れ、米国が世界の仮想通貨分野で主導的立場を取るべきだとも述べていた。

4月には、当時大統領デジタル資産諮問委員会のメンバーだったボー・ハインズ氏が、関税収入や財務省の金証書の再評価などを活用したビットコイン購入資金調達案を検討していると発言していた。

今回の下落は、ビットコインが一時的にグーグルの時価総額2.4兆ドルを抜き、世界資産ランキングで5位となった数時間後に発生した。財務省の姿勢を受けた楽観論の後退が影響したとみられる。

BTC/USD, 1-day chart. Source: Cointelegraph

「売却はやめる」ベッセント氏

一方でベッセント氏は、米国が保有する既存のビットコインを売却する予定はないと明言した。
「売却はやめる。現在の価格でビットコイン準備金は150億〜200億ドル規模だと考えている」

この発言は、ホワイトハウスのAI・暗号資産担当官デービッド・サックス氏の見解とも一致する。サックス氏は、ビットコイン準備金を「仮想通貨版のフォートノックス」と形容し、そこに組み入れられたビットコインは売却せず価値保存手段として保有すると述べていた。

Source: Thomas Massie

一方、米国の国債残高は水曜日に初めて37兆ドルを突破した。政府が膨張する債務の返済や景気刺激策のための資金供給拡大に動くとの見方から、インフレヘッジとしてビットコインに資金が流入し、再び最高値を更新するとの期待も高まっている。

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