米国の仮想通貨市場構造を定義することを目的とした待望のCLARITY法案について、米議会が審議を先送りしたが、ビットコイン(BTC)価格は週次で新たな高値となる9万3500ドルを記録した。

ボラティリティ低下の中でビットコイン上昇
農業委員会や銀行委員会を含む上院委員会は、CLARITY法案の予定されていた修正審議を1月最終週へと延期した。上院農業委員会のジョン・ブーズマン氏はこの延期を認め、ステーブルコインのインセンティブ設計、DeFi(分散型金融)への監督、所管当局の権限をめぐる未解決の対立が理由だと説明した。
法案成立時期については、従来から2026年にずれ込むとの見方が強まっていたが、今回の延期によって早期の法制化見通しはさらに不透明になった。ただし、ビットコインの値動きを見る限り、トレーダーはこの動きを大きな問題とは受け止めていないようだ。
過去24時間、ビットコインは狭いレンジで推移し、一時9万1000ドルを下回ったものの、ニューヨーク市場の取引時間中に9万3500ドルを上回った。CLARITY法案延期にもかかわらず、強い売りが出なかった点は、過去の規制懸念局面で取引所への流入が急増していた状況と対照的だ。
今回は取引所のネットフローが低水準にとどまり、差し迫った下落ショックに備える動きは見られないとXWINリサ―チは指摘する。

こうした落ち着きを裏付けるのが、SOPR(支出出力利益率)のデータだ。この指標は1付近、もしくはやや下回る水準で推移しており、全体として利益確定売りやオンチェーンでの支出が限定的であることを示している。これは、資金を短期で回転させるよりも、保有期間を延ばす姿勢が強い、忍耐強い市場と解釈できる。
より広い視点では、CLARITY法案は二者択一的なリスク要因というより、制度統合に向けたマイルストーンとして捉えられつつある。正式成立を待たずして、ビットコインはより「機関投資家向け」の保有資産へと移行し始めているように見える。
ETF流動性と個人投資家不在が楽観論を抑制
もっとも、この楽観論には注意点もある。仮想通貨アナリストのダークフォスト氏は、現物ビットコイン上場投資信託(ETF)で過去最大の流動性流出が記録されたと指摘した。平均実現価格が8万6000ドル付近にある中、2025年10月の史上最高値以降に流入したETF資金の多くが含み損を抱えている。現物ETFからは60億ドル超が流出したが、過去2週間では資金フローは安定している。

一方で、個人投資家の参加は依然として低調だ。クリプトクオントのデータによると、少額購入者(0ドルから1万ドル)の30日間ビットコイン需要は大きくマイナス圏にあり、過去の強気局面とは対照的な状況となっている。
これは、現在の価格帯が主に大口投資家によって支えられていることを示唆する。加えて、コインベース・プレミアム指数はまだ強気に転じていない点も警戒材料だ。市場コメンテーターのクリプトゴッドジョン氏は次のように述べている。
「注視すべき最大の指標はコインベースのプレミアムだ。ここがプラスに転じるまでは、力強い反転は起きないと思う」

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