ビットコイン(BTC)は、米国の金融インフレ懸念の緩和を背景に、9万ドルの心理的水準を突破する可能性がある。
過去2カ月以上続いた下落トレンドにより、従来の4年周期説に反し、現在の強気相場が終わりを迎えたとの懸念が出ている。
しかし、10xリサーチのマルクス・ティーレンCEOは、米国のインフレ懸念が後退することで、ビットコインが9万ドル以上に回復する可能性があると指摘する。
「短期的な反発の可能性がある」
ティーレン氏はコインテレグラフに対し、「現在、ビットコインの価格は売られ過ぎの状態にあり、逆張り的な反発が起こる可能性がある。FRB(米連邦準備制度理事会)が若干ハト派寄りの姿勢を示すことも期待できる」と語った。
ただし、「これは大きな強気相場のシグナルではなく、政策当局による微調整にすぎない」とし、「BTCは広範な保ち合いレンジに留まると考えているが、一時的に9万ドル付近まで上昇する可能性はある」と述べた。
ビットコインの日次RSI Source: 10x Research
FOMC会合がビットコインの方向性を決定づける可能性
市場関係者は、3月19日に予定されている米連邦公開市場委員会(FOMC)会合に注目している。FRBの金融政策の方向性が、ビットコインを含むリスク資産の投資意欲に大きな影響を与える可能性があるためだ。
Nexoのデジタル資産投資プラットフォームのアナリスト、イリヤ・カルチェフ氏は、FRBが量的引き締め(QT)を終了するかどうかが市場のカギを握ると述べた。
「QT終了の決定は、市場の流動性を高め、リスク資産の価格を押し上げる可能性がある」とカルチェフ氏はコインテレグラフに語った。
一方で、「インフレ懸念が継続した場合や、金融引き締めの継続(高金利維持や流動性の縮小)が再確認されれば、ビットコインの上値は抑えられる可能性が高い」とも述べた。
FRBの目標金利の確率 Source: CME Group’s FedWatch tool
CMEグループのFedWatchツールによると、市場はFRBが政策金利を据え置く確率を99%と織り込んでいる。
しかし、バンク・オブ・アメリカの最新調査によると、投資家は2月から3月にかけて米国株へのエクスポージャーを過去最大の40ポイント削減しており、景気後退への懸念が高まっている。この動きがビットコインの価格動向に悪影響を与える可能性もあり、市場はFOMC会合後の動向を注視している。