ビットコイン(BTC)の売却とそれに伴う価格下落は「起こらない」と、仮想通貨分析企業CryptoQuantのCEOは主張している。

10月12日のツイートで、CryptoQuantのキ・ヨンジュCEOは、取引所への平均流入量がBTC価格の上昇にもかかわらず、停滞していることを指摘している。

BTC流入量は「まだ安全ゾーン」

キ氏は、CryptoQuantの平均取引所流入指標を取り上げている。これは依然として低リスクのエリアにあり、売り圧力の可能性が低いことを示唆しているという。

平均取引所流入量は、ビットコインが取引所に流入する量を測定する。つまりその量が多ければ、取引や売却に使われるビットコインの量が増えることになる。さらに、それはクジラの活動についてもアイデアを与えることになる。大規模保有者がBTCの売却を計画しているかを見る指標ともなる。

キ氏は「BTCでダンピングは発生しない」とコメントしている。

「すべての取引所流入平均は通常、取引所で活動しているクジラの数を示す。2を超えていれば、BTCは危険ゾーンにあるが、私たちはまだ安全なゾーンにいる」と、キ氏は述べている。

そのため、今週BTCが1万1500ドル近くまで上昇しても、投資家の売り圧力は高まらなかった。

Bitcoin mean inflows vs. BTC/USD 1-month chart

BTCの平均流入量とBTC価格  出典: Ki Young Ju/ Twitter

クジラの活動が欠如しているのは、今年のはじめと対照的だ。新型コロナウィルスのパンデミックによって多くの資産市場で暴落を引き起こした3月13日。その数日前の3月9日には取引所への流入は「危険ゾーン」まで高まっていた。その後、ビットコインは3600ドルまで急落することにあった。

ビットメックスの売り圧力?

CryptoQuantは以前、ビットコインの値動きに貢献しているマイナーからの流入を強調していた。先月、マイニングプールからのBTCの流入が急増し、BTCは3%下落している。

10月、デリバティブ取引所大手のビットメックスが米政府から刑事訴追を受けた。CryptoQuantのデータによると、ビットメックスからの流出は10月2日だけで5万BTCにのぼったという。

BitMEX inflows and outflows chart

ビットメックスの流入と流出  出典: CryptoQuant

デジタルアセットのデータが示すように、ビットメックスの先物市場におけるシェアは以前ほど高いわけではない。

Bitcoin futures volume exchange comparison 1-month chart

BTC先物市場の取引所シェア. 出典: Cointelegraph/ Digital Assets Data

様々なアナリストが指摘しているように、ビットコインはプラットフォームの問題によって引き起こされた嵐を乗り越え、1万1000ドルのレジスタンスレベルを突破した。

この回復力はビットコインへの強気の確信を強くすることになり、さらなる利益を求める市場参加者の数の拡大をもたらしている

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン