仮想通貨ビットコイン(BTC)は、昨夜10時過ぎに急上昇を開始して1万2000ドルを突破した。マーケットでは昨年6月につけた高値である1万4000ドルが意識され始めている。
(出典:Coin360 日本時間8月18日午前7時)
クジラと呼ばれる大口投資家の損益分岐点の多くが1万2000ドルにあることから、1万2000ドルを突破するかどうかが注目されていた。ビットコインは7月末に長期間君臨した1万500ドルのレジスタンスを突破した後、1万2000ドルをなかなか突破できない状況が続いていた。
次に意識されるのが、昨年6月の高値である1万4000ドルだ。
ディープラーニングを使ったビットコイン分析を手掛けるドルフィンf氏は、コインテレグラフジャパンのYouTube番組に出演し「1万4000ドルまでレジスタンスらしいレジスタンスはない」と指摘した後で、次のように話していた。
「もしかすると(1万4000ドルの)レジスタンスも簡単に突破していく可能性がある。現在ポジションを持っている人たちの鮮度がだいぶ入れ替わっているので、ここが簡単に抜ける可能性も小さくはない。また(去年)ここでの滞留時間は非常に短かった。つまりこの辺りで買った人が多くなかったということだ」
「投資の神様」とビットコイン
「投資の神様」と呼ばれるウォーレン・バフェット氏の動きも追い風になっているかもしれない。
バフェット氏率いる投資会社バークシャー・ハサウェイは、米銀行ゴールドマンサックス株すべてを売却して、カナダの金採掘大手のバリック・ゴールドの株式を新たに取得。仮想通貨トレーダーのマックス・カイザー氏は、「ビットコインが5万ドルまで上昇させるのに役立つ」と歓迎した。
また米国仮想通貨投資会社モルガン・クリーク・デジタルのアンソニー・ポンプリアーノ氏は、ニュースレターの中で銀行株を見捨てて金への露出を増やす決定は完全なUターンだと強調。ビットコインに直ちに投資しない理由について「89歳がテクノロジーに抵抗しても驚かない」と述べ、インフレ耐性のある資産への投資という流れはビットコイン にとっても合っていると話した。
BTC否定派のバフェット氏
「オマハの賢人」ともいわれるバフェット氏だが、ビットコインなどの仮想通貨に対しては否定的な見解でも知られている。
2018年5月のバークシャー・ハサウェイの株主総会では、仮想通貨は「悪い結末を迎える」と述べ、ビットコインは「殺鼠剤を二乗したものだ」と酷評していた。バフェット氏の相棒であるチャーリー・マンガー氏は「ほかの誰かが糞を売っていて、あなたもそこから抜け出せなくてなっている」とさらに厳しい言葉で仮想通貨を否定している。
その後、2020年に入ってもバフェット氏の見解はあまり変わっていないようだ。
昨年2月、バフェット氏は、仮想通貨トロンの創業者であるジャスティン・ソン氏やライトコイン創業者のチャーリー・リー氏らと会食した。これはトロンのソン氏がバフェット氏とランチする権利をオークションで競り落としたものだ。
しかし、この仮想通貨業界の人物らとのランチ後、バフェット氏は米メディアとのインタビューで、「仮想通貨を持つことは一生ない」と断言している。その上で、仮想通貨の価値は「ゼロだ」と主張した。
「食事をした3時間半は良い時間で全体的にフレンドリーな空気だった。アイデアの交換もした。しかし、仮想通貨には価値がない。何も生産しない。(中略)あなたが仮想通貨に望むことといえば、他の誰かが来てより多くのお金を支払うことだ。そして問題はその人に押し付けられる。価値で言えばゼロだ」