「投資の神様」と呼ばれるウォーレン・バフェット氏率いる投資会社バークシャー・ハサウェイは、米銀行ゴールドマンサックス株すべてを売却して、カナダの金採掘大手のバリック・ゴールドの株式を新たに取得した。こうした動きについて、仮想通貨(暗号資産)ビットコイン強気派として知られるマックス・カイザー氏は、「ビットコインが5万ドルまで上昇するのに役立つ」と持論を展開している。

バークシャー・ハサウェイの四半期報告書によると、バフェット氏はほとんどの主要銀行に対するポジションを縮小したと、フォーチュンが8月15日に報じた。バークシャー・ハサウェイはゴールドマン・サックス以外に、JPモルガンやウェルズ・ファーゴ、PNGの株式の大部分を売却したという。

「銀行よりも金」のBTCへの影響は?

バフェット氏はゴールドマン・サックスに対する影響を完全に捨て去ることを決定したが、これは同氏が長期的に銀行業界に投資することに抵抗感を持っていることを示している。

代わりに金価格の上昇の恩恵を受けているバリック・ゴールド社の株式を取得。同社株は年間で45%の増加を記録している。バークシャーの投資で、株価は時間外取引で8.11%上昇した。

クラーケンやビットフィネックスといった企業に投資したことで知られるマックス・カイザー氏は、こうしたバフェット氏の金投資がビットコインに利益をもたらすと考えている。金に対するポジティブな感情はビットコインへも波及するという。

「世界の100兆ドル規模のファンド運用会社で、金に投資しているのは1%にも満たない。バフェット氏は今、金に移行した。世界で5%以上がゴールドに投資するようになることを期待すると金は5000ドルになる。1%がビットコインに配分されることを考えると、これはビットコインが5万ドルに到達することを意味する。ポール・チューダー・ジョーンズがこれを10%まで引き上げることを期待する。」

The weekly price chart of Bitcoin

(出典:トレーディングビュー「ビットコインの週足チャート」)

仮想通貨ファンド「イキガイ」の創業者トラヴィス・クリン氏もカイザー氏と同様の考えだ。クリン氏は1998年にバフェット氏が金には実用性がないと懐疑的な発言をしたことに言及。次のように述べた。

「本日、バークシャー・ハサウェイが史上初めて金株を購入したことが発表された。理由は明白だ。念の為言っておくと、今後数年はビットコインがどうなるのか気になるところだ。ビットコインは、1998年にバフェットが考えていた金と同じなのだから」

金との相関

ビットコインは4月以降、金より良いパフォーマンスを示しているが、金とビットコインの価格動向には相関関係が見られている。仮想通貨データ提供企業スキュー(Skew)によると、過去4ヶ月間、2つの資産は連動している。

The correlation between Bitcoin and gold

(出典:スキュー「ビットコインと金の相関関係」)

2020年3月の世界市場の暴落以来、ビットコインと金の相関関係は、多くの投資家が、ビットコインを安全資産として捉えていることを示している。

最近では14億ドル規模のインテリジェンスコングロマリットであるマイクロストラテジーが2万1454BTC(約260億円)を購入した。同社によるとビットコインは価値の保存手段であり、潜在的な安全資産と認識しているという。

「今回の投資は、ビットコインが世界で最も普及している仮想通貨で頼れる価値保存手段であり、現金保有よりも長期的には上昇する可能性を秘めた魅力的な資産クラスであるという我々の信念に基づいている」

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン