仮想通貨(暗号資産)アナリストのデビッド・プエル氏は16日、ビットコイン(BTC)の過去4年間の動きを元に、重要なデータポイントを指摘した。データによると、14000ドルのレベルは「クジラ(大口投資家)クラスター」による重要な価格ポイントとなっているようだ。
プエル氏によると、クジラクラスターは最近、9000ドルから12000ドルのレンジで大口の買いを行なっていることが示されている。9000ドルで購入したクジラは比較的高い利益を上げており、12000ドルで購入したクジラが損益分岐点にいるとしている。
クラスターは買いと売りの双方が積極的に12000ドルから14000ドルの範囲の価格帯を抜け出そうとする動きを見せるために、変動が大きくなる可能性が高い。
(出典:デビット・プエル「ビットコインの週足チャートとクジラクラスターの位置」)
調整が起きるのはBTC上昇が継続する証拠?
データは反落と継続の両方の可能性を示している。もしクジラが9000ドルと12000ドルで購入した場合、12000ドルから14000ドルのレンジで利益を得ようとする。彼らは数ヶ月の停滞の後に、ある程度の利益を得るか、損益分岐点にいることになる。
逆に捉えれば、クジラが利益を得ていて損益分岐点にあるならば、上昇することを予想しているのかもしれない。プエル氏はビットコインが12000ドル、または14000ドルに達した時、10000ドル台の蓄積フェーズが発生するかもしれないと予想する。
「最後に、未使用のクジラのクラスターは、大きな戦いが行われていることが確認できる。ここには2つのアクターが存在している:12000ドル〜14000ドルで損益分岐点に到達したトップバイヤーと、1年以上ぶりの高値を更新した後にアクティブになっている現在のバイヤー。もし調整が起きたら、(以前のボリュームプロファイルから予想されるように)10000ドルエリアでの再蓄積の別の主要なクラスターが発生する可能性が高いだろう」
ビットコイン市場の現在の状況は、これまでの状況と異なっている。プエル氏はパンデミックといったマクロ要因によって、ビットコインは前例がない動きを見せたと指摘する。
例えば3月13日には、仮想通貨取引所ビットメックスでビットコイン価格が一晩で50%下落し、3596ドルという安値まで下落した。プエル氏は予期しない外部要因から、ビットコインが2020年を通して見せた異常な値動きは異常な価格サイクルの可能性を高めているという。
「1年半をさかのぼって見てみると、ビットコインのサイクルの中で興味深い市場構造がいくつかあった。強力な半減期に伴い、「典型的な」強気トレンドに向かおうとしている間に、2羽のスワンが次々と価格を発見した。プラストークンと新型コロナウイルスだ。」
いくつかの変数
短期から中期的には、ビットコインの価格動向に影響するいくつかの変数がある。
ここ数ヶ月の間、ビットコインは金(ゴールド)との相関関係が見られたが、これは世界経済の不確実性が投資家に安全資産を検討していることを示すものだろう。世界中の中央銀行による低金利政策と急速に拡大する資金供給は、ビットコイン価格にも好影響をもたらすと考えるアナリストが多い。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン