5月8日に10万ドルの大台を突破して以降、ビットコイン(BTC)は毎日その水準を上回る価格で終値を記録している。6月22日には一時9万8300ドルまで下落したものの、現在も11万1800ドル超の最高値に近い水準を維持している。
10万ドルへの下落はわずか9%の調整に過ぎないが、ある指標によれば、10万〜11万ドルの価格帯が2025年後半に再びパラボリックな上昇を迎える前の新たな底値になる可能性がある。
クリプトクオントのデータによると、オンチェーンの動きは長期的な信頼の回復を示しており、取引所からの流出が流入を大きく上回っている。月間ベースの流出/流入比率は0.9まで低下しており、この水準は2022年の弱気市場の終盤以来で、過去にも強い需要が示されるタイミングだった。
この指標は、仮想通貨が取引所に入ってくる量と出ていく量のバランスを示すもので、投資家の心理を測る目安になる。1を下回る水準は、仮想通貨が取引所から引き出されていることを意味し、通常は「蓄積」の動きとされる。一方で、1.05を超える水準では売却圧力が強まり、局所的な高値をつけることが多かった。
今回の比率の下落は、ビットコインが1万5500ドル付近で底を打った2022年12月の水準と似ており、そこから数ヶ月にわたる上昇トレンドが続いたことから、同様に価格反転の兆しと捉えられている。
現在の流出優勢と長期保有者の参加拡大は、構造的な底値が形成されつつあるという見方を後押しする。過去のパターンが繰り返されるなら、需要主導の転換点が近づいており、次の強気相場への起点となる可能性がある。
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ビットコイン、ショート勢の売り圧力を吸収か
過去45日間、バイナンスのデリバティブ市場では売り方の攻勢が続いていたが、ビットコインは10万〜11万ドルの狭いレンジ内で粘り強く推移している。CVD(累積出来高デルタ)のデータはマイナスを維持しており、ショート(売り建て)ポジションによる圧力が続いていることを示している。しかし、価格が下抜けないことから、これらの売り注文は市場で吸収されていると考えられ、蓄積を示唆している。
このような耐久性は、機関投資家の動きを示唆するオンチェーンデータによって裏付けられている。アナリストのマールトゥン氏によると、火曜日には1万9400BTC(約21億1000万ドル相当)が、長期間動きのなかったウォレットから機関投資家向けアドレスに移動されたという。これらのビットコインは過去3〜7年間まったく動いていなかったもので、その重要性がうかがえる。
この種の移動は突発的なものではなく、戦略的なポジショニングに基づくことが多いため、大口投資家が短期的な売り圧力の中でも静かに市場へ参入している可能性がある。
限定的な下方反応、そして大規模な蓄積が重なっていることから、ビットコインが10万ドル付近で底を形成しているという見方が強まりつつある。短期的なボラティリティは続くかもしれないが、機関投資家とみられる買い意欲が下支えとなり、10万ドルを大きく下回る急落は起こりにくくなっているようだ。
本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限りません。この記事には投資助言や推奨事項は含まれていません。すべての投資や取引にはリスクが伴い、読者は自身でリサーチを行って決定してください。
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