バイナンスの新しい調査によれば、ビットコイン(BTC)を基盤とする分散型金融(BTCFi)にロックされた資産価値(TVL)は、過去1年間で2700%以上の急増を記録しており、ビットコインを「受動的な価値の保存手段」から「利回りを生む生産的資産」へと変貌させる可能性がある。

BTCFiとは、ビットコインのベースレイヤー上に分散型金融(DeFi)の機能を実装しようとする新たな技術パラダイムであり、現在最も急成長している仮想通貨セクターの1つとなっている。総ロック価値(TVL)はすでに86億ドルを超えている。

バイナンス・リサーチはコインテレグラフに共有したレポートで、「BTCFiの成長と利下げ観測が組み合わさることで、中長期的にビットコインに対するポジティブなセンチメントが強まる可能性がある」と述べている。

ビットコインDeFiの総ロック価値  Source: Binance Research

バイナンスの広報担当者は、「BTCFiセクターの成長が今後も続けば、貸付、流動性提供、その他のDeFiメカニズムを通じて、ビットコイン保有者が利回りを得る新たな機会が広がる」とし、次のように述べた。

「こうした動きは、BTCの見方を、単なる価値保存資産からオンチェーン上で活用される生産的資産へと転換させる一助となるかもしれない。影響の全容を判断するには時期尚早だが、こうした新たなユースケースの拡大は、ビットコインの採用拡大と需要増を後押しする可能性がある」

BTCFiへの関心は、2024年4月のビットコイン半減期以降に急拡大した。この半減期では、ビットコインブロックチェーン上における初の代替可能トークン規格である「Runes」プロトコルが導入された。

ビットコインネイティブのほかのプロジェクトも、このトレンドを後押ししている。

Babylonは、ビットコインネットワーク史上初となるBTCステーキングを導入し、保有者が資産から受動的収入を得られるようにした。また、Hermeticaは、ビットコイン担保型の初の合成ドル「USDh」を立ち上げ、投資家向けに25%の利回りを提示している。

長期保有者、再びビットコイン買い増しへ

ビットコインの長期保有者による買い増しが再び活発になっている。これは、2月に長期保有者が保有するBTC供給量が底を打ったことを受けた動きである。

BTC supply held by long-term holders. Source: Glassnode, Binance Research

ここでいう長期保有者とは、少なくとも155日間ビットコインを保有しているウォレットを指す。彼らによる買い増しの加速は、取引所上に出回るビットコインの供給を減少させており、将来的に供給ショックを契機とする価格急騰を引き起こす可能性がある。

この長期保有者による蓄積トレンドは、ビットコインの「重要な採用期」とも一致している。バイナンスのレポートによると、その背景には米国の「戦略的ビットコイン準備金」の設立や、機関投資家による関心の高まりがあるという。

2024年3月7日、米国のドナルド・トランプ大統領は、政府が押収したビットコインを用いて戦略的備蓄を創設する大統領令に署名した。