26日の仮想通貨市場は全面安の展開となっている。ビットコイン(BTC)は前日比で約5%下落し、9140ドル前後で取引されており、約3週間ぶりの安値となっている。

主要なアルトコインはさらに大きく下落している。イーサ(ETH)は9.5%下落し、230ドル台で取引されており、XRPは11%下落し、0.24ドル前後で取引されている。ライトコイン(LTC)も9.1%下落、ビットコインキャッシュは9.6%下落、NEM(XEM)が約11%下落と、軒並み下落している状況だ。

出典:Coin360 11:25時点

株式市場も下落続く

株式市場も26日、大幅安の展開が続いている。米株式市場のNYダウ平均は25日に879ドル安となり、2日間の下げ幅は1911ドルと過去最大となった。日本の株式市場も株安が進んでおり、26日には一時400円を超える下げ幅となった

新型コロナウィルスがアジアだけでなく、米国や欧州など世界中に拡散するリスクが意識されたのが原因とみられる。

米国の10年物国債の利回りは過去最低を記録。安全資産として米国債に資金が移っている状況とみられる。

今回の新型コロナウィルスでは、ビットコインが金と同じような安全資産として機能する「デジタルゴールド」シナリオが発揮できていない状況だ。

これについては、今回の新型コロナウィルスが中国発である点を指摘する声も出ている。仮想通貨分析企業メサーリでは、ニュースレターの中で中国に仮想通貨マイニング企業が集積していることに注目。新型コロナウイルスによるマイニング機器製造の遅れ、供給網の乱れ、輸出規制などの要素が中国のマイニング業者に与える影響があると考えられると指摘している。

次のサポートは9000ドル

仮想通貨アナリストでコインテレグラフの寄稿者であるホルス・ヒューズ氏は、次のサポートが2月4日の価格である9089ドルになると指摘している。ここを下抜けてしまえば、200日間移動平均線(8800ドル)がサポートになると分析する。

もし200日間移動平均線も下抜けてしまえば、「状況は厳しくなる」とし、8200ドル、8000ドルがサポートになるとみている。

また仮想通貨アナリストのIvan on Techは、ビットコインの価格が200日間移動平均線を上回っている限りは強気の見方だと述べており、200日間移動平均線の維持が今後の焦点になりそうだ。一方で、Ivan on Techは、ビットコインが8500ドルに位置するCMEのギャップを埋めようとする懸念もあるとも述べている。

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