800ドル超の急落から1日。2月21日の仮想通貨ビットコイン(BTC)は9500ドルをサポートを守り上昇基調に戻りつつある。昨日の急落は世界最大級の仮想通貨取引所バイナンスの緊急メンテナンスによる流動性欠乏という見方も出ている。

(出典:Coin360 日本時間2月21日17時15分時点)

バイナンスの緊急メンテナンス

クオンタムエコノミックス創業者のマティ・グリーンスパン氏は、「大きなプラットフォームがダウンすれば大きな値動きの可能性がある」と指摘した。2月19日午後8時過ぎにバイナンスが緊急メンテナンスを実施。また、2月20日の午前9時過ぎに米国最大の仮想通貨取引所コインベースも「予定通りのメインテナンス」を開始した。ビットコインが急落したのは、2月20日の5時過ぎだ。

バイナンスとコインベースのメンテナンスは終了している。

グリーンスパン氏は「仮想通貨市場はかなり小さい」とし、「ボラティリティ(変動幅)が高い理由はマーケットに流動性が欠けているからだ」と指摘した。

新型コロナウイルスとマイニング業界

新型コロナウイルスが仮想通貨ビットコイン価格に影響を与えるのかどうか議論が続いている。一方でブロックチェーン分析企業メサーリ創業者のライアン・セルキス氏は、新型コロナウイルスが中国マイニング業者の命運を握っているかもしれないという見解を示した。

ニュースレターの中でセルキス氏は、中国に拠点を持つ巨大マイニング企業がコロナウイルスによる半導体生産の鈍化や人員確保の難しさなどで影響を受けるだろうと指摘。世界のハッシュレートの大半を占めていると推測されるビットメインは北京を拠点にしているが、半導体の製造は深センとマレーシアで行われている。30%のマイニングパワーを占めるとされるマイクロBTは深センが拠点。カナン・クリエイティブは杭州市に拠点を持っている。

セルキス氏は、深センのある広東省は武漢のある湖北省についで新型コロナウイルスの被害が大きく、杭州市のある浙江省は3番目に被害が大きいと指摘。新型コロナウイルスによるマイニング機器製造の遅れ、供給網の乱れ、輸出規制などの要素が中国のマイニング業者に与える影響があると考えられるとし、今後の状況によっては中期的にマイニング業界の勢力図を塗り替える可能性もあると予想した。

先月末の時点では、四川省の仮想通貨マイニングハブが新型コロナウイルス による影響はないと発言したと伝えられている

【関連記事:四川省のマイニング業者「コロナウィルスは仮想通貨マイニングに影響ない」

【関連記事:中国の仮想通貨マイナー、南米のビットコインマイニング企業を買収か

【関連記事:仮想通貨マイニングマシン大手カナンの株価が急騰|半減期控え、機器の買い替え需要か