5月に推定されるビットコインの半減期がビットコインの上昇材料になっているのは確かなようだ。

仮想通貨データプロバイダーのザ・タイ(The TIE)によると、ビットコイン価格とメディアにおける半減期の言及数に相関関係がある。

ザ・タイのCEOであるジョシュア・フランク氏は、2月25日、コインテレグラフに対して「昨年の秋に半減期の言及数が下がるに従って、ビットコインの価格が下がった」とし、「再び言及数が増えた後、ビットコインには上昇圧力がかかった」と指摘した。

2月22日、ザ・タイは、両者の相関関係を示したチャートを掲載。「仮想通貨メディアにおける半減期の言及数が増えることでビットコイン価格が上昇しているようだ」と述べた。また、「半減期の言及数が過去最高を記録した」と伝えた。

ビットコインの半減期

ビットコインの半減期は、今年の5月に推定されている。ビットコインのブロックチェーンを作成するマイナーに対する報酬が12.5BTCから6.25BTCに半減。つまり、ビットコインの新たな供給量が半減する日となる。需給が引き締まる関係から、一般的にビットコインの半減期でビットコインの価格は上がると考えられている。

ザ・タイは、コインテレグラフ、コインデスク、ビットコイニスト、ザ・ブロックなど22の異なる仮想通貨メディアを調査し、ビットコインの半減期の言及数と価格の間に「適度に強くポジティブな」相関関係を発見した。

フランク氏は、次のように続けた。

「2つの変数が完全に相関しているのは興味深い。一般的に価格は言及数増加の後から上昇するようだ。デジタル資産関連のメディアが話せば話すほど、価格が上がる。ただ相関関係が因果関係を示しているわけではない」

ストーリーは「デジタルゴールド」から「半減期」へ

一部の投資家は、ビットコインが有事の際の金(ゴールド)のようにデジタルゴールドとして機能するとみている。昨年、ビットコイン「デジタルゴールド」説が上昇相場に貢献したが、今年は半減期が価格上昇のストーリーになっているとフランク氏は指摘した。

「昨年の秋になって初めて半減期の言及数と価格に本質的な相関関係が見られ始めた」

フランク氏によると、「2019年10月はデジタルゴールドのストーリーが半減期のストーリーより推されていた」。

 

ビットコイン半減期は、最近で「すでに織り込まれている」や「デリバティブ市場が発達したから今回の影響はない」といった懐疑論も出てきている。

仮想通貨取引所バイナンスのジャオ・チャンポンCEO(通称CZ)は、19日、ビットコインの現在の価格に半減期は織り込まれていないと話していた。

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翻訳・編集 コインテレグラフジャパン