数多くの国が中央銀行デジタル通貨(CBDC)に取り組んでいるが、国際決済銀行(BIS)のブノワ・クーレ氏は、CBDCが登場しても現金の重要性は変わらないと考えている。クーレ氏は、BISのイノベーション部門の責任者であり、以前は欧州中央銀行の専務理事でもあった人物だ。

「ユーロ圏では、スウェーデンや中国とは異なり、銀行券の需要は依然として強い」と、クーレ氏はインタビューの中で発言している。「これらの役割は支払手段としては衰えているが、依然として貯蓄の手段である」と付け加えた。

「消費者に支払手段の選択を強制したいと思う人はいない。多様性は良いことであり、イノベーションを促進するだろう。目標は選択肢を提供することだ。つまり、消費者は中央銀行が発行した通貨で支払を続けることができる」

クーレ氏は、「中央銀行デジタル通貨は、単に硬貨や紙幣のデジタル版である。公的機関が発行する最も安全な通貨だ」と指摘し、次のように述べている。

「将来的に、様々な方法でコーヒーの支払ができるようになる。紙幣や硬貨だけでなく、銀行カード、中央銀行が発行したデジタル通貨、またアップルペイやペイパル、または適切な規制枠組みが決定した場合にも、リブラも使用できるだろう」

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン