中国の現地メディアの報道によると、仮想通貨(暗号資産)取引所バイナンスが、中国で仮想通貨取引が禁止されているにもかかわらず、中国本土のユーザーにサービスを提供しているという。

中国の国営ラジオ放送の中央人民広播電台(CNR)によると、バイナンスのジャオ・チャンポンCEO(通称CZ)が、彼のウェイボーのページで「binancezh.com」というウェブサイトを宣伝している。

バイナンスは、2017年に仮想通貨取引が禁止される数か月前に中国で設立され、その後、海外に移転。現在はケイマン諸島とセーシェルに本社が置かれている。

中国の仮想通貨メディアの8BTCが指摘しているように、「zh」は中国語を意味する「zhongwen」の略を意味する可能性がある。このウェブサイトでは12種類の言語から選択できるようになっているが、どの言語を選択しても、中国語版にリダイレクトしているようだ。

CNRのレポーターは、ID文書をアップロードし、取引所のモバイルアプリを介して顔認証を完了した後、binancezh.comにアカウントを登録できたというその後、取引所で中国人民元からビットコイン(BTC)への取引を完了させた。

バイナンスはCNRに、この取引所のアプリは中国市場では入手できないと語り、「本土のユーザーが海外にいるか、取引に海外IDを使用している場合、それを識別するのがより難しくなる」と語っている。

binancezh.comについては、ウェブトラフィック分析企業のアレクサ(Alexa)のデータが引用され、バイナンスがエジプトの居住者が主に使用する「テストサイト」であると説明しているという。

アレクサによると、訪問者のほぼ半分がエジプトから訪れており、米国と香港はそれぞれ6.8%と5.8%となっている。ただし、Similar Webでの検索結果では、ウェブサイトのトラフィックのほぼ80%が中国からのものであるのに対して、エジプトからのものは8%となっている。

who.isのデータは、ウェブサイトがAlibaba Cloud Computing (Beijing) Co., Ltd.によって登録されたものであり、登録者の国はケイマン諸島であることを示している。

バイナンスの広報担当者は「Binancezh.comは、私たちが宣伝したり、一般にマーケティングするわけではないテストサイトである」とコインテレグラフに説明している。

先月、バイナンスは中国で「Binance.cn」というドメインを正式に登録している。CZは、この新しいドメインは仮想通貨取引のためのものではなく、「教育とテクノロジーに焦点を当てている」と説明していた。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン