決済大手のマスターカードは来月バイナンス仮想通貨取引所との仮想通貨カードの提携を終了する。ブルームバーグで報道されたほか、8月25日にコインテレグラフでも確認した。
マスターカードの広報担当者によれば、マスターカードとバイナンスは9月22日から、アルゼンチン、ブラジル、コロンビアでの共同ブランドの仮想通貨カードプログラムをすべて終了するという。「アルゼンチン、ブラジル、コロンビア、バーレーンで彼らとの4つのパイロットプログラムが市場に存在していた。この決定は、これらのバイナンスプログラム各々に適用される。他の仮想通貨カードプログラムには影響はない」という。
マスターカードとバイナンスのプリペイド仮想通貨カードは、ユーザーがバイナンスで保有する仮想通貨をもとに現地の法定通貨で支払いができる。プログラム終了を受け、カード保有者がバイナンスのウォレット内の残高を交換することができる。
マスターカードは提携終了の理由を明かしていないが、ブルームバーグなどの報道によれば、厳しくなっている仮想通貨取引所に対する規制が原因かもしれないとされている。
この提携の終焉は、バイナンスとマスターカードが昨年8月にアルゼンチンの住民向けのプリペイドカードを立ち上げてからちょうど1年後になる。2023年初めには、両社はラテンアメリカで別のプリペイド仮想通貨カードで提携を拡大していた。
バイナンスが世界中で再び規制の問題に直面している。
これまで、バイナンスとジャオ・チャンポンCEOは、米証券取引委員会によって証券法に違反したとして訴えられている。また、米商品先物取引委員会も、バイナンスがデリバティブ規制に違反したとして訴えられている。
バイナンスはまた、米国制裁に違反してロシア人が取引所を利用しているとして、米司法省による調査も受けていると報じられている。
またマスターカードだけでなく、バイナンスが世界中で規制の問題に直面している中、Visaもバイナンスから距離を置いている。バイナンスは報じられるところによれば、ビザは7月以降、ヨーロッパでの新たな共同ブランドカードの発行を停止している。
Visaとバイナンスにコメントを求めたが、現時点では返答が得られていない。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン