世界最大の仮想通貨取引所バイナンスは、欧州連合(EU)によるロシアに対する第5次制裁を受け、ロシア人ユーザーに大きな制限を課している。

バイナンスは21日、ロシア国民もしくはロシア居住者に対する新しい制限を発表し、1万ユーロ以上の取引に制限をかけることになる。制限されたアカウントは、スポット、先物、ステーキングなどの取引ができなくなる。

この制限は、ロシア国民、ロシアに居住する個人、ロシアに拠点を置く法人に課せられる。1万ユーロ以下の場合には影響を受けず、今まで通りに取引することができる。

制限を受けたアカウントが、先物もしくはデリバティブのポジションを持っている場合、90日以内にポジションをクローズする必要がある。

バイナンスのジャオ・チャンポンCEOは「何百万人もの無実のユーザーのアカウントを一方的に凍結することはない」と述べていたが、必要な制裁には準拠していくと過去に語っていた。

EUは4月8日、ロシアに対する第5次制裁パッケージを公表。その中で、ロシアの企業や個人に対して「高価値な暗号資産サービスを提供することを禁止」しており、これによりデジタル資産を使った「潜在的な抜け穴を塞ぐ」ことが狙いだ。