取引量で世界最大の仮想通貨取引所であるバイナンスは、出金制限と新しい税金報告システムを導入することで、世界の規制当局と対話する努力を続けている。

同社は27日、KYC(本人確認)ポリシーの大幅な変更を発表し、本人確認を完了していないユーザーの最大出金額を大幅に削減した。

バイナンスの新規口座開設に伴い、基本的な口座認証のみを行ったユーザーは、1日あたり0.06BTC(記事執筆時点では約2400ドル相当)以上の出金ができなくなる。これまでは、1日の最大出金額は2BTC(約8万ドル)が上限だった。

発表によると、Binanceは8月4日から段階的に既存のユーザーに新しい出金制限を適用していく。同取引所は、8月23日までに新しい出金制限を完全に採用する予定だ。本人確認を終えたバイナンスユーザーは、これまで通り1日に100BTCまで、記事執筆時点のBTC価格で400万ドル近くを出金できる。出金限度額は毎日午前0時に更新されるという。

さらにバイナンスは28日、新しい税金報告ツールを発表した。この報告ツールは、バイナンスのユーザーが仮想通貨取引を追跡し、取引履歴をサードパーティのベンダーに転送。納税義務の概要を即座に把握できるようにするアプリケーションだ。この新しい取り組みは、ユーザー保護とリスク管理を強化するための取り組みのようだ。

税金報告ツールの説明によると、ユーザーはサードパーティに取引履歴を転送できるようになる。

今回のニュースは、バイナンスが新たな取引制限を積極的に採用し、取引所に対する世界的な規制強化に対応しようとしていることを示している。今週、バイナンスは、ユーロ、豪ドル、英ポンドを含む3つの通貨の証拠金取引ペアを廃止した。また、先物取引プラットフォームでは、最大レバレッジの倍率を125倍から20倍に引き下げた。