仮想通貨取引所バイナンスは2月17日、取引所開設・運営に特化した法人向けクラウドサービス「バイナンス・クラウド」の開始を発表した。バイナンス・クラウドを利用することで、バイナンス同様の多言語対応取引所を3〜5日間以内に設立できるという。2月8日に、同取引所ジャオ・チャンポンCEO(通称CZ)が「バイナンス・クラウド」という名称を明かしていた。
またバイナンス・クラウドは、ステーキングやOTC(店頭)取引などの機能、IEO(イニシャル・エクスチェンジ・オファリング)を利用した独自トークン開始機能を近い将来サポートするとした。バイナンス・クラウドの機能・サービスをすべて利用した取引所が、2020年3月に運営開始予定という。
取引所開設・運営に特化したオールインワン・プラットフォーム
発表によると、バイナンス・クラウドは「仮想通貨取引所バイナンス」のコア機能を同取引所パートナーなどに提供するもの。バイナンスの技術・セキュリティ・流動性・保管サービスを基盤とするデジタル資産取引プラットフォームを効率よく設立できるオールインワン・プラットフォームとなっているそうだ。スポット市場・先物取引をはじめ、銀行APIの統合、法定通貨と仮想通貨取引可能なP2Pサービスをさまざまな企業が展開可能になるという。このほか、資金・利用言語・取引ペア・取り扱い仮想通貨を管理するダッシュボード機能も利用可能としている。
3〜5日間で仮想通貨取引所を開設できる
コインテレグラフがCZに尋ねたところ、バイナンス・クラウドは、同取引所がカバーできていない地域の人々を特に対象としていると説明した。CZによると、バイナンス・クラウドにより(仮想通貨取引所運営の面で)「資金・文化・知識」に難のある市場で独自取引所を運営できるようになるそうだ。
またCZは、「他の準備が整っている場合」バイナンス・クラウドを利用することで、すべてのパートナーが取引所を3〜5日間以内に設立できるようになると述べた。
バイナンス・クラウドで、仮想通貨をすべての人々に届けるという使命を実現
プレスリリースにおいてCZは、バイナンス・クラウドが取引所開設・運営に特化した初のクラウドサービスと主張した。
「バイナンス・クラウドは、従来市場に存在しなかった製品スイートだ。(中略)世界中のさまざまなブランド・コミュニティ・市場を通じて、バイナンスの高品質なサービスを提供したい」
CZに確認したところ、誰が最初にバイナンス・クラウドのアイディアを思いついたのかは不明だという。CZは、誰が思いついたのかよりも、誰が実行したのかが重要だと付け加えた。バイナンス・クラウドは、誰もが仮想通貨にアクセスできるようにし、幅広い普及に貢献することを目指していると強調した。
「より多くの人々が仮想通貨にアクセスできるようにするため、多くのパートナーが仮想通貨を扱えるようにしたい。バイナンス・クラウドのコンセプトは、仮想通貨へのアクセスを可能にする人々に向け、支援プラットフォームを提供することだ。それがバイナンス・クラウドの基になったアイディアだ」
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翻訳・編集 コインテレグラフ日本版