バイナンス系ブロックチェーンのBNBチェーンは、2023年の停滞期を経て、2024年以降の分散型金融(DeFi)と機関投資家の採用加速によって力強く回復している。

過去1年にわたり、BNBチェーンはDeFiへの数十億ドル規模の資金流入、米国の上場投資信託(ETF)需要の高まり、そして提携する中央集権型取引所(CEX)バイナンスでの取引高増加の恩恵を受けてきた。

その結果、ブロックチェーンのネイティブトークンであるBNBは、仮想通貨市場全体が軟調に推移する中でも、2025年第1四半期に史上最高値を更新し、最も堅調な銘柄のひとつとなっている。

「BNBの強さは単なる価格の動きにとどまらない。しっかりとしたファンダメンタルズが支えている」と、投資分析プラットフォームのアルフラクタルの最高経営責任者ジョアン・ウェドソン氏は4月にXで述べている。「バイナンスは、BNBが広範に活用される巨大なエコシステムを構築した」とも付け加えた。

スタンダードチャータードは、BNBの価格が2028年末までに2775ドルに達するとの見通しを示している。5月7日時点ではBNBは1枚あたり約600ドルで取引されており、時価総額は約850億ドルに達している

一方で、米国では資産運用会社ヴァンエックが5月5日に初のBNB ETFを申請している

DeFi activity on BNB Chain (formerly BSC). Source: DeFiLlama
 

DeFiへの資金流入がTVLを押し上げ

2024年初頭以降、BNBチェーンのTVL(総ロック資産)は約35億ドルから60億ドル超へと増加した。ただし、2022年の200億ドル超という過去最高水準にはまだ届いていない。

5月7日時点で、BNBチェーンはTVLでレイヤー1ブロックチェーンとしては4位につけている。

スタンダードチャータードによれば、BNBチェーンのユースケースはほぼすべてが分散型取引所(DEX)、レンディングプロトコル、流動性ステーキングに集中しており、「他の競合チェーンと比べて、より集中型で“旧来型”のスマートコントラクトプラットフォーム」であるという。

この点について、同社は「上昇余地を限定する一方で、ある程度の安定性を提供している」と評価している。

BNBチェーンで最大規模のDEXであるパンケーキスワップには、約15億ドルのTVLが集まっている。

BNBチェーンへの機関投資家の関心も高まっており、背景にはバイナンスとの連携がある。バイナンスの取引高は2024年に過去最高の約76兆ドルに達し、スポット取引では世界シェアの約40%を占めている。

また、米国のトランプ大統領が支援するステーブルコイン「USD1」もBNBチェーン上で発行されており、その発行量の99%以上にあたる20億ドル超が同チェーン上に存在している。

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