億万長者のテック実業家マーク・キューバン氏が最近、貴金属関連ニュースを手がけるキトコ・ニュースのインタビューに答え、ビットコインや金を含むさまざまな資産への投資について、考えを語った。

 現在最も安全な投資先について質問されたキューバン氏の答えは、株でも金でも、あるいはビットコイン(BTC)でもなく、借金の返済だった。クレジットカードや学生ローンなど、抱えているあらゆる借金の返済こそが、「ベストな投資だろう」と、キューバン氏は論じた。

「なぜなら、どのような利子の借金であれ、それを返済すれば、例えば金利7%の学生ローンなら、7%の利益と同じことになるからだ。また、即座に利益が確定するので、株であれ不動産であれ、それが何かはともかく、他の投資先を選ぼうとするよりも、ずっと安全である」

 金とビットコインについて、キューバン氏はどちらも好きではないと述べ、仮想通貨も貴金属も、収集品として、概ね同じものと考えていると付け加えた。金もビットコインも、その価値は需給に基づいているが、ビットコインはその希少性において、より有利であるとも主張した。

 「ビットコインの良い点は、今後生成され供給される量が限られていることで、金の悪い点は、これからさらに採掘され続けることだ」

 キューバン氏がビットコインに対する意見を変えたように見えるのは、これが2度目である。2017年6月、同氏は世界トップのこの仮想通貨のことをバブルと呼び批判したが、同年10月までには、仮想通貨とブロックチェーンは未来であると主張し始めている。

 昨年10月、キューバン氏は自らの動画「金持ちになるための手引き(Guide to Getting Rich)」の中で、老後の蓄えの最大10%を、彼がハイリスク資産と呼ぶビットコインやイーサリアムへ投資することも助言している。キトコの最新のインタビューでは、キューバン氏は投資に安全性を求める人たちに対し、お金を銀行に預けることを勧めている。

 キューバン氏はデジタル通貨ヘッジファンドやイニシャル・コイン・オファリング(ICO)へ投資したほか、2017年にはイーサリアムベースの仮想通貨マーキュリー・プロトコルをリリースしている。今年1月には、自らがオーナーを務めるNBAのダラス・マーベリックスが来シーズンより、チケットの支払いにビットコインを受け入れるとも発表している