人気P2E(Play-to-Earn)NFTゲーム「アクシー・インフィニティ」の開発元であるスカイメイビスは、6億ドル以上のハッキング被害から3ヵ月後にローニン・ブリッジをオンラインに戻したことを発表した。

ローニン・ブリッジは、アクシー・インフィニティのために構築されたイーサリアムのサイドチェーンで、サイドチェーンとイーサリアムのメインネットの間でアセットを転送することが可能だ。

3月29日、ハッカーがプライベートバリデータへのアクセスに成功し、17万3600イーサ(ETH)と2550万USDコイン(USDC)がローニン・ブリッジから流出した。このハッキングによる不正流出額は当時の価値で6億2000万ドル以上にのぼった。

6月28日のスカイメービスの発表によると、ローニン・ブリッジは3回の監査(内部1回、外部2回)、新しいデザイン、ユーザーの盗まれた資産の完全補償を経て、オンラインに復帰したとのことだ。

スカイメイビスは現在、ローニンネットワーク上でユーザーのラップETH(wETH)をバックアップするためにETHの流動性を提供し、合計11万7600ETHと2550万USDCを払い戻した。盗まれたETH全体のうち残りの5万6000ETHはアクシ―DAOトレジャリーに属しており、スカイメイビスが「法執行機関と協力して資金を回収する」ため、無担保のままとなる予定だ。

4月には、ユーザーがwETHをETHに交換できるようにする面ではバイナンスが協力した。流動性はアクシ―・インフィニティの残高と創業者の資金から調達された。この動きをサポートするため、バイナンスはまた1億5000万ドルの資金調達ラウンドを主導した

ブリッジのデザイン刷新の一環として、スカイメイビスはスマートコントラクトソフトウェアを更新し、バリデーターが1日の引き出し限度額を設定できるようにし、現段階では初期設定額を5000万ドルに設定した。また、出金の金額を3段階に分けるサーキットブレーカーシステムも導入した。

Tier1は100万ドル未満の引き出しで、バリデータの70%の署名が必要であり、Tier2は100万ドルを超える金額で、バリデータの90%の署名が必要だ。Tier3は1000万ドル以上の引き出しで、90%のバリデーターの署名が必要で、取引手数料と7日間の審査が必要だ。

「新しいブリッジの設計では、不測の事態に備えてサーキットブレーカーシステムを導入し、不審な大規模な引き出しに歯止めをかけることでセキュリティを高めている」

スカイメイビスは4月下旬の事後報告で、分散化の欠如がローニン・ブリッジをハッキングに対して脆弱にしていたことを認めた。当時、ローニン・ブリッジにはわずか9つのバリデータしかなく、従業員はそのうちの4つにアクセスすることができた。

スカイメイビスはすぐに11ノードまで増やし、事後報告の3カ月以内に21ノードまで増やし、長期的には100ノード突破を目指す意向を示した。

しかし、今回の発表では、ローニンネットワークのバリデータのノード数についての最新情報は提供されなかった。