英国の中銀であるイングランド銀行で銀行券の発行責任者を務めるサラ・ジョン氏がテック企業がデジタル通貨を牛耳る前に中央銀行が先手を打って取り組むべきだとの姿勢を示した。ザ・テレグラフが22日に報じた

ジョン氏はフェイスブックなどのテック企業がステーブルコインを開発するなかで、中銀が「中央銀行デジタル通貨(CBDC)」を「オプション」として考えることは非常に重要だと指摘した。さらに行動しなければ、規制当局がデジタル決済分野で民間企業の対応の後手に回る可能性が高いと警告。「公的部門か民間部門のどちらがデジタル通貨を発行するのが良いのかを考えなければいけない」と話した。

「社会が自信を持って、使用できる支払い方法を確保するために、中銀の位置付けについて考える必要がある」

FSBは規制当局にステーブルコインの規制を要請

これまでに金融安定委員会(FSB)のランダル・クオールズ議長がG20のメンバーに対し、仮想通貨やステーブルコインの規制に取り組むよう促している。

「FSBメンバーは、いわゆるステーブルコインを含むデジタル決済分野におけるイノベーションの速さを認識している。これらの新しい手段に対する必要な規制および監督上の対応を整備するペースを速めるつもりである」

先日閉幕したG20の共同声明ではフェイスブックのリブラなどの「グローバル・ステーブルコイン」についてはリリース前に国際金融への影響を精査する必要性を改めて強調。金融安定理事会(FSB)が取り組む規制上の提言作成を支持するとし、仮想通貨や関連業社へFATF基準を実施することを促すとした。

さらに声明の中では「デジタル時代における規制・監督上の課題の枠組みを構築する取組を支持する」と表明。そのためにグーグルやフェイスブックを想定した「ビッグテック」企業の金融分野への進出を注視するとしている。

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翻訳・編集 コインテレグラフジャパン