主要国の中央銀行や金融監督当局で構成する、金融安定理事会(FSB)は、フェイスブックが主導する仮想通貨リブラなどのステーブルコインに関する規制整備を加速させる考えだ。

FSBのランダル・クォールズ議長は、リヤドで開催されるG20財務相・中央銀行総裁会議に向けたレターの中で、ステーブルコインに対する規制整備について言及している。

「FSBメンバーは、いわゆるステーブルコインを含むデジタル決済分野におけるイノベーションの速さを認識している。これらの新しい手段に対する必要な規制および監督上の対応を整備するペースを速めるつもりである」

クオールズ議長は「4月には規制問題に関する報告書のドラフトを発効し、協議のための対応を進める」と述べている。

FSBの仮想通貨への対応

FSBは昨年10月、金融安定性を巡る3つの主要なリスクの1つとして「ステーブルコイン」をあげた

「グローバルなステーブルコインの導入は、多くの課題を突き付ける可能性がある。これには金融安定性に対する課題も含まれている」

消費者および投資家の保護、マネーロンダリング・テロ資金供与対策(AML/CFT)、脱税、反トラスト政策、サイバーセキュリティといった、想定される複数のリスクを指摘していた。

FSBはその後、昨年12月に2020年の作業プログラムを発表し、「グローバルステーブルコイン」の規制問題に関して協議を行い、最終報告書を提出するとしている。

2020年の作業プログラムの中で、FSBはグローバルステーブルコインについて「金融の安定性を含め、規制当局に多くの課題をもたらす可能性がある」と指摘。その一方で、経済全体には大きなメリットをもたらす可能性もあると言及している

今回、FSBは4月に報告書のドラフトを提出するとしており、2020年の作業プログラムについて、より具体的なスケジュールが明らかになった形だ。