9月3日、中国人民銀行のデジタル通貨研究所のディレクターであるムー・チャンチュン氏は、中央銀行デジタル通貨(CBDC)であるデジタル人民元が技術的、ビジネスモデル的に「大きなアップグレード」を経たと述べた。ムー氏は、ウォレットプロバイダーがリテールシナリオ全体での支払いオプションを簡便にするべきであるとの声明を発表した。
ムー氏は、中国国際サービス貿易フェアでのスピーチで、今度は支払いツールがアップグレードされる番であると語った。ムー氏はWeChat(ウィーチャット)やAlipay(アリペイ)などの商業銀行アプリに対し、規制への遵守が必須であると強調。短期間には、これらのプラットフォームはCBDC用のQRコードを実装することが焦点となるとムー氏は述べた。
さらに、ムー氏はホールセールでの支払いにも言及。現行の対銀行間の支払いおよび決済システムを完全に変更する必要はなく、CBDCの支払いオプションをそれに統合するだけで十分であると彼は語った。ただし、統合の技術的な詳細についてはスピーチで触れられなかった。
中国は、ブロックチェーンを基盤としながらも完全に管理されたデジタルインフラの開発を続けている。8月には、中国政府関係者がブロックチェーンを活用した新たなデータ交換所、杭州データ交換所を発表。これにより、企業のITデータの交換が効率化される。