オーストラリアの名門オーストラリア国立大学は21日、リップル社から100万米ドル(約1億1000万円)の支援を受けたと発表した。リップルは大学と共同でブロックチェーン研究や仮想通貨関連のカリキュラムを組むことを目指しており、世界の名門大学との提携を積極的に進めている。

発表によると、リップル社からの支援金は、ブロックチェーン技術やスマートコントラクト、デジタル決済などが法律の分野にどのような影響を与えるのかの研究や関連コース創設のために使われる。

リップルは、昨年6月に世界の17の大学に対して5000万ドルを寄付し、ユニバーシティー・ブロックチェーン・リサーチ・イニシアチブ(UBRI)を開始。UBRIではリップルが技術提供や専門家の派遣を行い、大学と共同でブロックチェーン研究や仮想通貨関連のカリキュラムを組むことを目指している。先月には、中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席などの母校として知られる清華大学フィンテック研究所(THUIFR)とがリップルとの提携を発表していた

オーストラリア大学は、UBRIの参画する初めてのオーストラリアの大学になるという。

法律とブロックチェーン

今回リップルからの支援金を受け取ったオーストラリア国立大学法律学部講師のスコット・チェンバーレイン氏は、次のようにツイートした。

「リップルのUBRIに入ったことを(ようやく)発表できて嬉しい。最初のリサーチプロジェクトはすでに立ち上げたよ。もしxrp/codius/ILPの開発者で大学と一緒に司法のスケール化に挑戦したいなら、私にダイレクトメッセージを送ってくれ!」

チェンバーレイン氏は、彼が「Lex Automagica Tech Stack」と呼ぶブロックチェーン、デジタル資産、スマートコントラクト、AI、AR、そしてVRが、ぜんまい仕掛けの社会をどのように実現するかに注目。ブロックチェーンだけではなく、リーガルテック(法律技術)全般を研究しなければならないという見解を示した。

また、チェンバーレン氏は、ブロックチェーン技術などを使って司法への人々のアクセスを改善すると主張。次のように話した。

「みんな司法へのアクセスについて話しているが、これは司法をスケール化できるかの話しで、司法を大量生産できるかどうかだ」

同氏は「現状の司法へのアクセス状況がベストである可能性はある」としつつも、ブロックチェーン技術がどのように司法を変えるか、大学で研究することの意義を訴えた。2020年の1学期には2つの修士コースを解説し、理論と実践でブロックチェーン技術の可能性を探求する予定だ。

現在、司法へのアクセスへの意識は高まっている。

例えば、フィナンシャル・タイムズによると、契約書の書き方が煩雑であることが法律専門でない個人や企業が社会サービスを十分に受けられない要因になっているという指摘がある。この問題を解決するためスマートコントラクトを使って、法律サービスを単純化し、専門家以外が日常生活で使うデジタルフォームで再現することの重要性を訴える専門家もいるという。