アップル共同創業者のスティーブ・ウォズニアック氏は、ビットコインをプレゼントするという詐欺広告に同氏の画像を使った動画を放映したことに対するYouTubeへの訴訟で敗訴した。ブルームバーグが3日に報じた。

サンタクララ郡上級裁判所のスニール・クルカーニア判事は、インターネットプラットフォームを保護する連邦法である通信品位法第230条によって、YouTubeと親会社であるGoogleは、ユーザーが投稿したコンテンツに対する責任を持たないと結論づけた。

ウォズニアック氏は「特定のアドレスに仮想通貨を送ると、ウォズニアックが2倍にして返す」という詐欺行為を行ったにもかかわらず、YouTubeが止めなかったことを問題視。同氏は、YouTubeが不正な広告を削除しなかっただけでなく、動画へのトラフィックを誘導するターゲット広告を販売したり、動画を掲載しているYouTubeチャンネルを正しく検証していないとして、詐欺行為に「実質的に貢献」したと主張した。

「もしYouTubeが迅速に行動して、このような事態を合理的な範囲で阻止していたならば、私たちは今ここにいない。このような投稿を見て、すぐに犯罪者として追放しない人間がいるだろうか」と述べた。訴訟の中でウォズニアック氏は、YouTube上の同様の仮想通貨詐欺が、マイクロソフトのビル・ゲイツ氏やテスラのイーロン・マスク氏などもYouTubeを使った仮想通貨詐欺で名前を使われているとしている。

しかし、クルカニア判事は、こうした要素は230条を退けるのに十分な要素ではないと判断。同判事は、ウォズニアック氏に訴状を修正するための30日間の猶予を与えた。

仮想通貨詐欺に対するYoutube広告の訴訟については昨年4月、リップル社と同社のブラッド・ガーリングハウスCEOはYoutubeが「XRPギブアウェイ(無料配布)」詐欺を止めなかったとしてYouTubeを訴えた。しかし第三者が提供した詐欺を含むいかなるコンテンツに対してもYouTubeは責任を負わないとして棄却された。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン