アタリの創設者であり、最初の商業的に成功したビデオゲーム「ポン」の発明者であるノーラン・ブッシュネル氏は、Web3ゲームの未来に対する楽観的な見方を示した。同氏は特に仮想世界への所有権をもたらす点について注目している。
ブッシュネル氏は8月25日に香港で開催されたデジタルエンターテイメントリーダーシップフォーラムで、アニモカブランドの共同創設者であるヤット・シュウ氏とともに、ゲームの過去、現在、未来について議論した。司会はキロン・グループのマネージングパートナー、ショーン・フン氏が務めた。
シュウ氏が「ゲームの祖父」と称えるブッシュネル氏は、Web3ゲームが所有権の概念をデジタル領域に拡大する能力を称賛した。「ゲームはますます生活の全ての要素を模倣するようになる。ブロックチェーンを伴ったWeb3は、所有権を突如として仮想世界に与える」と彼は語った。
ブッシュネル氏は自動運転車の内部がモバイルゲームスタジオになる未来を予測し、一方シュウ氏はWeb3ゲームがゲームプレイを経済的に収益化する可能性を指摘した。「Web3ゲームがすでにもたらした影響は、これらのゲームで過ごす時間のエンゲージメントでお金を稼ぎ始めることができる」とシュウ氏は語った。
シュウ氏は、ゲームが元々「プレイヤー対環境」のシステムであり、ゲーマーが非プレイヤーキャラクター(NPC)と対戦する形を取っていたが、マインクラフトやロブロックスの台頭を通じてゲームの世界はマルチプレイヤーのエコシステムに進化したと語った。
「自分自身や環境と対戦するためにフォートナイトに行くわけではない。他の人と対戦するためにオンラインに行く。つまり、我々プレイヤーはコンテンツであるが、違いは我々がそれに対して適切に報酬を受けていないということだ」とシュウ氏は説明した。
Web3ゲームが提供する最大の約束は何かと問われたブッシュネル氏は、「KYC(本人確認)とブロックチェーンの不変性」の組み合わせが、オンラインゲームのプレイヤーがボットや悪質な行為者でないことを保証する最良の方法だと語った。さらに、ブッシュネル氏はゲームがすぐに学校の教室で不可欠な一部となり、学生が「ストーリーとシミュレーション」を通じて学ぶようになるだろうと予測した。
Web3ゲームの利点が積極的に語られる一方で、シュウ氏はブロックチェーンゲームの普及とともに生じた問題点を指摘した。「Web3とブロックチェーンをゲームなどの任意のシステムに導入すると、資本主義が導入される。そのため、過去12〜18ヶ月間に見られた問題は、これらのゲームがそれを製作したスタジオだけでなく、すべての参加者にとって資本主義的になってしまったことから来ている」とシュウ氏は語った。
ゲームの金融化によってもたらされる問題があるにもかかわらず、シュウ氏は本質的に資本主義的な要素が若いゲーマーに金融教育を提供するのに役立つだろうと語った。「もし世界がWeb3ゲームのおかげで金融リテラシーが高まり、価値について何かを理解できるようになるあんら、私は世界がより安全になると思う」と彼は語った。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン