時価総額ベースで第5位の仮想通貨であるダッシュが、この24時間で急進している。日本時間で12日深夜から月曜の早朝にかけて約60%急進した後、高値から25%反落している。

 ビットコインのブロックサイズの引き上げを目論むセグウィット2x分岐案が中止された同時期に、ダッシュはブロックサイズを2MBに引き上げるアップグレードを実施。ブロックサイズ引き上げ派の資金の一部がダッシュに流れたようだ。

 今年に入って、ブロックサイズ引き上げ派の代表格であるロジャー・バー氏やチャーリー・シュルム氏もダッシュへの支持を表明していた。

 ダッシュが自身のスケール化案として選んだのはブロックチェーン上で行うブロックサイズの引き上げだった。これに対し、ビットコインが採用する予定のライトニング・ネットワークや、イーサリアムが計画する「ライデン・ネットワーク」はブロックサイズの引き上げをせずに、ブロックチェーンの外に新たな決済チャンネルを開いてしまう方法だ。

 ダッシュの創始者であるエバン・ダッフィールド氏は、自身のブログで次のように語っている

仮想通貨の世界では「ブロックチェーン上でスケール化は難しい」という認識を持つグループが多くいる。それは彼らが、更に高いパフォーマンスをもたらす代替のP2P設計を試していないからだ。僕らは、インセンティブを与えられた第二層(マスターノード)構造が、ダッシュをどこまで発展させるか見せたいのだ。 

 今回実施されるブロックサイズの引き上げは、ダッシュのソフトウェアにおけるバージョン12.2アップデートの一環で、ダッシュのコア開発者であるUdjinM6氏はダッシュの公式掲示板においてこの詳細を公開している。

 今回のアップデートに含まれる主な修正点は、「ブロックサイズを2MBに引き上げるダッシュ向上提案の実施」や「取引手数料を10倍に削減」することが含まれている。また、同アップデートは今年中に行われる予定で、ダッシュを大幅に進化させる布石として期待が集まっている。

 こういった技術的背景を材料に、短期資金がダッシュに「ダッシュした」可能性がある。