大手コンサルティング会社のアクセンチュアが、フランスの多国籍航空宇宙企業タレス・グループと提携し、ブロックチェーンを使った航空機向けサプライチェーンシステムを展開する。同社が16日のプレスリリースで発表した。

 ハイパーレッジャー・ファブリックをベースとするこのソリューションは、7月21~22日に英国で開催されるファーンボロ国際航空ショーで初めて公開される。タレスの物理的複製防止機能(PUF)ツールとブロックチェーンを使って、「航空機の部品や素材を監視・追跡し、本物であることを証明する」。

 「航空宇宙及び防衛産業は、世界で最も巨大で複雑なサプライチェーンの1つを抱えている」と、アクセンチュアの航空宇宙・防衛分野担当のグローバル マネージングディレクター、ジョン・シュミット氏は述べる。

「ブロックチェーン技術は、無数の部品を監視・追跡するための、新しく洗練された、安全な方法をこの業界にもたらすと同時に、偽造防止やメンテナンス能力の向上にも役立つ」

 シュミット氏は、ブロックチェーンが近い将来、航空宇宙産業に「大変革」をもたらす可能性があると付け加えた。アクセンチュアは1月、2021年までに航空防衛企業の81%がブロックチェーンを導入するだろうとのレポートを出している。

 タレスの責任者もプレスリリースの中で、「ブロックチェーンとクリプトシール、物理的複製防止機能を組み合わせることで、信頼性のある部品追跡が可能となる」と期待を寄せる。

 ハイパーレッジャー・ファブリックは18年に入ってから、多くの実装事例が相次いでいる。その多くは、IBMのブロックチェーン導入を支援するサービスとして提供されている。