SegWitの導入から3年半経過しているが、スケーラビリティの解決に向けた理想からはまだ遠いようだ。

ビットコインの研究開発を手がけるチェーンノードラボのマーク・エルハルド氏の分析によると、ビットコインのトランザクションのインプット(ビットコインの送付)の88%以上が必要以上に高い手数料を支払っていることが分かった。ブロックサイズを拡大することで、スケーラビリティを解決するSegWitを導入したインプットはわずか12%に過ぎないという。

エルハルド氏はSegWitを採用していない従来のトランザクションに依存しているために、ブロックサイズが拡大せず、トランザクションのバックログが増加していると指摘した。

10日の時点で107ブロック分の未承認トランザクションがビットコインのメモリープールに保管されている。こうしたトランザクションをSegWitなどを利用することでトランザクション手数料が節約が可能になる。同氏は手数料を下げる最も簡単な方法は、全てのトランザクションにSegWitを導入することだと指摘する。

「効率の悪いアウトプットフォーマットが普及すればするほど、ブロックの負債が蓄積されていく」

エルハルド氏はSegWitを主要なウォレットサービスに統合することが長く行われていないために、不必要なメモリープールの利用やブロックチェーンの肥大化に繋がっていると批難する。同氏は連続ツイートの最後で次のように指摘した

「いつになったらSegWitのネイティブアドレスに送信できないウォレットを時代遅れだとみなすことが受け入れられるのだろうか」

メモリープール内では溜まっているトランザクションを処理する優先順位を選ぶ一つが手数料だ。現在、メモリープール内のトランザクション手数料の最低料金は149sat/byteで、これは1BTCを44870ドルとすると、14.97ドルに相当する。

エルハルド氏は、2020年にチェーンノードラボに参加する前に、仮想通貨ウォレットの開発に従事していた。特に商用ビットコインウォレットのUTXO(未使用残高)の専門家であり、ビジネス関連のトランザクションの節約を支援してきた人物。

現在、SegWitをサポートしているビットコインウォレットの中で最も人気があり、実績のあるものの一つがElectrumだ。マルチシグによる取引や秘密鍵のインポートとエクスポートもサポートしている。またビットスタンプやビットメックス 、バイナンスなどSegWitをサポートする主要な仮想通貨取引所も増えてきている。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン