テック株中心のナスダック指数は14日、人工知能(AI)分野の収益性を巡る警戒感から2.3%下落した。パランティアのアレックス・カープ氏がヤフーファイナンスのイベントで「すべてのAI実装がコストに見合う価値を生むわけではない」と発言し、投資家の間で米国経済に対する減速懸念が強まった。
パランティア(PLTR)、インテル(INTC)、コアウィーブ(CRWV)の株価はいずれも6%以上の下落となった。
ビットコイン(BTC)もリスク回避の動きに連動し、13日に10万5000ドルを試した後に6.5%下落。強気派のレバレッジポジションが清算され、総額3億5000万ドル規模のロスカットが発生したことで、重要な心理的節目である10万ドルを割り込んだ。
一方で、ビットコイン固有の不安が広がっている兆しは乏しく、特定のイベントが恐怖や不確実性を誘発したわけではないと専門家は指摘している。ストック・トゥ・フロー理論の提唱者であるPlanB氏によれば、売り圧力の主因は2017〜2022年に取得した長期保有者からのものであり、古参クジラ(大口投資家)の売却を示す根拠は弱いという。
AI関連コストと米マクロ不安が市場を圧迫
テスラ(TSLA)は、自家消費向けエネルギー貯蔵装置の1万500台以上をリコールしたことを受け下落が加速した。米国内で製造されたこの8000ドルの装置について、22件の過熱報告があり予防措置が取られた。さらにテスラはオースティンに1000万台規模のヒューマノイドロボット「Optimium」製造ラインを計画しており、これも重荷になっている。
AI以外でも、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ期待が後退した。CMEのFedウォッチによると、2026年1月までに金利を3.5%未満へ引き下げる確率は10月13日の49%から20%に低下した。インフレの粘着性が依然としてFRBの最も大きな懸念であり、特に低所得者層への負担が重いとヤフーファイナンスは報じている。
米国ではトランプ大統領がついにつなぎ予算案に署名して政府閉鎖を終了させたが、ホワイトハウスのレビット報道官は「10月の一部経済指標が公表されない可能性がある」と述べた。元FRB副議長のラエル・ブレイナード氏は、AI投資が「経済の内側にある歪みを覆い隠している」と警告している。
ディズニー(DIS)は決算が市場予想を下回り8%下落。ストリーミング事業や映画事業の不振が響いた。ドアダッシュ(DASH)、ダラーツリー(DLTR)、スターバックス(SBUX)など、消費関連企業も相次いで弱い決算を発表している。
政府閉鎖の影響で経済の見通しが不透明に
43日間の過去最長の政府閉鎖によって、投資家は米国経済の見通しを正確に把握するのが難しくなっている。米GDPが2%押し下げられる可能性を指摘する声もある一方、政府支出が再開されれば影響の多くは巻き戻されるとする見方もある。
アナリストは、米国の雇用統計が「休職扱いやエッセンシャルワーカーが失業者としてカウントされるため、解釈が難しい」と指摘している。
市場が現在の株価水準を適正と判断するには時間がかかる可能性があり、また、米政府が減税や給付金を通じて流動性を供給するかどうかも不透明のままだ。こうした状況下では、ビットコイン(BTC)は引き続き広範な経済不確実性を映しやすくなり、安定したデータが不足していることがその揺れ幅をさらに増幅させるだろう。
本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限りません。この記事には投資助言や推奨事項は含まれていません。すべての投資や取引にはリスクが伴い、読者は自身でリサーチを行って決定してください。
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