オンチェーン分析企業グラスノードのデータによれば、2024年11月の高騰以前に0.50ドル以下でXRPを購入したトレーダーたちが現在、1日あたり平均6880万ドル相当の利益を確定している(7日間平均)。

XRP’s Realized Profit by over 300% margin. Source: Glassnode

このグループは、現在のXRPサイクルにおける最大の勝者となっており、300%以上のリターンを記録している。利益確定の大部分はこの層から発生しており、価格が3倍以上となったことで利確フェーズに入ったことを示唆している。

2017年の90%暴落と同様のリスク

XRPトレーダーの現在の行動パターンは、2017年のサイクル終了前と類似している。当時、XRPは1年足らずで0.005ドルから2.50ドル以上へと急騰し、巨額の含み益を持つ保有者による利益確定売りが一気に加速した。

XRP’s Realized Profit by over 300% margin. Source: Glassnode

その300%以上の含み益を持つ層からの利益実現がピークに達した直後、市場は天井を打ち、XRPは約90%下落した。

同様のフラクタルが今回も再現された場合、XRPは今後数カ月でさらなる調整に直面するリスクがある。

この懸念に加え、XRPの実現時価総額(最後に移動した価格をもとにした時価総額)の70%以上が2024年末から2025年初頭にかけて形成されている。これは、現在の市場参加者の大半が比較的新しいホルダーであることを示しており、ボラティリティが高まった際に急落しやすい「トップヘビー」な構造となっている。

XRP realized cap by age. Source: Glassnode

SOPRと実現価格が示す35%の下落リスク

2024年11月以降にXRPを購入した層では、SOPR(コインの売却が利益か損失かを示す指標)が低下を続けている。一方で、他の保有期間グループでは4月以降、安定化もしくは回復の兆しが見られている。

XRP SOPR by age. Source: Glassnode

6月21日時点で、3〜6カ月保有層の平均取得価格は2.28ドル、6〜12カ月保有層は1.35ドルとなっている。

XRP realized price by age. Source: Glassnode

XRPの現在価格が約2.14ドルで推移している中、新しい保有者層は損益分岐点ぎりぎりの状況にあり、6〜12カ月層については依然として35%の下落余地が残されている計算になる。

このような状況では、XRPは1.50〜1.60ドルの価格帯まで下落する可能性があり、最終的には1.35ドルのサポートを再び試す展開も想定される。ここは6〜12カ月保有者の損益分岐点とも重なる。

さらに、XRPの実現価格は1.30ドル付近に位置しており、これは下値目標とされる「下降トライアングル」の下限にも一致する。このチャートパターンは、上昇トレンド中に現れる場合、弱気転換のシグナルとされている。

XRP/USD weekly price chart. Source: TradingView

一方で、50週間指数平滑移動平均線(EMA:赤い波)から明確な反発が見られれば、この弱気シナリオは無効化され、XRPが3ドル超へと再び上昇する可能性も残されている。

本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限りません。この記事には投資助言や推奨事項は含まれていません。すべての投資や取引にはリスクが伴い、読者は自身でリサーチを行って決定してください。

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