ハイパーリキッド・ストラテジーズは、世界最大の分散型デリバティブ取引所ハイパーリキッドのネイティブトークンHYPEの保有拡大を目的に、H最大10億ドルの資金調達を申請した。

米証券取引委員会(SEC)に10月22日付で提出されたS-1登録申請によると、同社は最大1億6000万株の普通株式を発行し、HYPEトークンの追加購入および企業運営費に充てる計画を明らかにした。資金調達の財務アドバイザーはチャーダン・キャピタル・マーケッツが務める。

ハイパーリキッド・ストラテジーズは、ナスダック上場のバイオテク企業ソネット・バイオセラピューティクスと、特別買収目的会社(SPAC)のロールシャッハI LLCによる合併により設立予定の新会社だ。

合併後の経営陣には、CEOにデビッド・シャミス氏、会長に元バークレイズCEOのボブ・ダイアモンド氏が就任する。

この発表を受け、HYPEトークンは過去24時間で約8%上昇し、37.73ドルに達した。 一方、仮想通貨市場全体は0.6%下落しており、HYPEの独自上昇が際立った格好だ。

保有額4.7億ドル超 企業最大のHYPE保有者に

合併完了後、ハイパーリキッド・ストラテジーズは1260万枚のHYPEトークン(約4億7000万ドル相当)を保有し、さらに3億500万ドルの現金を持つことになる見込みだ。

保有するHYPEに加え、今回申請したトークン購入により、同社は企業として世界最大のHYPE保有者になる見込みだ。

同社の動きは、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)以外の仮想通貨を財務資産として積み上げる企業トレジャリー戦略の新潮流を象徴している。

もっとも、アルトコインを財務資産に組み込む戦略の持続可能性については、市場低迷時にリスクが顕在化するとの懸念も指摘されている。

ただし、ハイパーリキッドの需要は依然として強く、同取引所は近月の分散型永久先物(パーペチュアル)取引ブームの中心的存在となっている。

パーペチュアル取引(perps)は、24時間365日取引可能、高レバレッジ、期限なし、上昇局面・下落局面の両方で利益を狙えるという特徴から、投機的トレーダーを引きつけている。

取引高は月間1兆ドル突破

DeFiLlamaによると、10月前半の23日間で分散型パーペチュアル取引高はすでに1兆ドルを突破し、9月の記録(7,720億ドル)を上回った。10月10日には1日あたり取引高が780億ドルという過去最高を記録した。

2021年2月以降のパーペチュアル取引高 Source: DeFiLlama

10月の取引高ランキングでは、ハイパーリキッドが3176億ドルで首位。次いでライター(2554億ドル)、アスター(1776億ドル)、エッジX(606億ドル)と続いている。

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