内部告発サイト、ウィキリークスの創設者であるジュリアン・アサンジ氏(47)がロンドンで逮捕された。ウィキリークスは、仮想通貨コミュニティーとも近い関係があるサイトで、アサンジ氏はビットコインのファンとしても知られていた。

イギリスのサジド・ジャビド内相が11日に、「ジュリアン・アサンジが現在警察に拘束されているのを確認した。英国で司法の裁きを受けることになる」とツイートした。

アサンジ氏が逮捕されたのはロンドンにあるエクアドルの大使館。同氏は2010年に性的暴行容疑で逮捕され、保釈中にエクアドルに亡命申請。治外法権を盾にエクアドル大使館に居座り続けたが、去年、エクアドルのモレノ大統領がアサンジ氏の亡命申請を却下することを示唆していた。

こちらはアサンジ氏がエクアドル大使館から連行されていく時の映像だ。

アサンジ氏は、もしエクアドル大使館を出たら、米国に引き渡され、ウィキリークスの活動について尋問されることを懸念していた。

ウィキリークスは、2016年の米大統領選で民主党とクリントン陣営から盗んだ1万9000通以上のEメールなど、これまで数々の機密情報を公開。一部から批判を受けていた。

アサンジ氏逮捕を受けてウィキリークスは、「政治亡命を不法に終了させており国際法に違反している」と批判。アサンジ氏は「数々のジャーナリズムの賞を受賞し、2010年以降、毎年ノーベル平和賞にノミネートされている」と紹介し、今回の逮捕の背景には「CIAなど権力の存在がある」と非難した

仮想通貨とウィキリークス

大手決済企業のVISAやマスターカード、アメリカンエクスプレスなどがウィキリークスとの取引を停止する中、アサンジ氏はビットコインなど仮想通貨による寄付を呼びかけてきた。また同氏は、仮想通貨の支持者としても有名。2010年からビットコインに投資しており、2017年10月中旬には500倍以上のリターンあげたとツイートしていた。

一方、ビットコインの創設者サトシ・ナカモトは、2010年12月、ネットの掲示板で、ウィキリークスがビットコインを使うことに対して懸念を示した。ナカモトは「ウィキリースにビットコインを使うよう勧めよう。受けて立とうじゃないか」というコメントに対して、「『受けて立とう』じゃない」と釘を刺し、次のように続けた

「このプロジェクトは、段階的に成長する必要がある。そうすることでソフトウェアも徐々に力をつけていく。ウィキリークスには、ビットコインを使わないように頼みたい。ビットコインは小さなベータ版のコミュニティーであり、生まれたばかりだ。はした金しか手に入らないだろうし、もたらされる熱風で我々を破壊することになるだろう」

(出典:satoshi.nakamotoinstitute.org「2010年12月 サトシ・ナカモトのウィキリークスに関する発言」)