マウントゴックス(Mt.Gox)の弁済がビットコインに与える影響は過大評価されており、クジラ(大口投資家)によって割安でBTCを買い増しする機会として利用される可能性が高い。こう語るのは、クリプトクアントのキ・ヨンジュCEOだ。
同氏は7月16日にXへの投稿で、マウントゴックスの売却の影響が30億ドルから90億ドルの間であり、過去18か月間のビットコイン(BTC)の時価総額の増加額に比べると影響は無視できるレベルだと語った。
「たとえマウントゴックスの30億ドルがクラーケンで売却されても、それはこの強気相場での実現時価総額の増加の1%に過ぎず、流動性は管理可能だ」とキ氏はのべた。

さらに、キ氏はビットコインの価格が、実際の売却よりも、予想されるネガティブなイベントに対する投機的な「FUD(恐怖、不確実性、疑念)」に対して脆弱であると指摘した。キ氏は、多くの投資家が「パニック売り」をしている一方で、「スマートマネー」は継続的にビットコインを買い増しているとも語った。
キ氏は7月10日の投稿で、過去30日間に永久保有者(流出のない大規模な個人保管ウォレット)が8万5000BTCを蓄積したデータを引用していると指摘した。

過去数週間で、マウントゴックスの管財人は何度かコールドウォレットからホットウォレットに資金を移動させている。
アーカム・インテリジェンスのデータによると、マウントゴックスは現在13万8985BTCを保有しており、その価値は約89億3000万ドルに相当する。
7月5日、破綻した仮想通貨取引所マウントゴックスは、2014年の大規模なハッキングで資金を失ったユーザーに約14万BTCの弁済を開始したと債権者に通知した。
しかし、ギャラクシーデジタルのリサーチ責任者であるアレックス・ソーン氏は、市場に出回る可能性のあるビットコインは14万1000BTCのうち6万5000BTCに過ぎないと推定しており、予想される下落圧力は大幅に軽減されるだろうと考えている。
同様に、アナリストたちは、マウントゴックスの売却に関する潜在的な売り圧力の多くはすでに「織り込み済み」であり、BTCの価格動向の最悪の部分はおそらく終わったとコインテレグラフに語った。
ビットコインの価格は過去7日間で12%上昇し、7月4日の5万3500ドルの2か月ぶりの安値から反発し、現在6万5154ドルで取引されている。
