世界経済フォーラム(WEF)は、中央銀行デジタル通貨(CBDC)やステーブルコインを含むデジタル資産について、法律家や民間部門の人々に情報を提供することを目的としたレポートを発表した

WEFは19日、世界40カ国85の組織「デジタル・カレンシー・ガバナンス・コンソーシアム(Digital Currency Governance Consortium)」が作成したレポート「ホワイトペーパー・シリーズ」を発表した。このホワイトペーパーシリーズには、ステーブルコインやCBDCを議員が規制することによる影響や、そのリスク、メリット、代替案などについて書かれた、8つのホワイトペーパーで構成される。さらに、デジタル資産に関する規制のギャップや、金融包摂やクロスボーダー支援におけるデジタル資産の利用可能性についても取り上げている。

この出版物に寄稿した企業の1つであるフィデリティ・インターナショナルのCEO、アン・リチャーズは、「投資家と消費者の保護は、仮想通貨とステーブルコインにとって引き続き必要不可欠だ。デジタル・カレンシー・ガバナンス・コンソーシアムは、この重要なテーマに焦点を当て、消費者リスクと規制のギャップをマッピングすることで、将来の政策立案に役立つ貴重な貢献となる」と述べた。

WEFによると、CBDCに関する国境を越えた取り決めでは、違法行為の防止、消費者保護、規制のギャップが存在する可能性に取り組むことが求められる。そのために、世界各国の政府がCBDCとステーブルコインに関する協力関係を築くことが有益であるとしている。WEFのホワイトペーパーでは、規制上のギャップへの対応として、デジタル通貨が悪用される場合、サイバーセキュリティの欠如が「本格的なシステミック金融危機」を引き起こす可能性があることを特に指摘した。

WEFは、ステーブルコインやCBDCのギャップや不整合を防ぐために、各機関が特定のリスク分野に特化したシニアリーダーや、すでにデジタル資産に携わっている人たちで構成されるタスクフォースを設置することを提案。ホワイトペーパーによると、このアプローチは、「持続可能なイノベーションの基礎を築き、規制の枠組みを調整し、国際的な協力関係を促進する」ことができるとしている。