仮想通貨取引所バイナンスのジャオ・チャンポンCEO(通称CZ)は10月25日、中国ネットサービス大手テンセントのモバイル決済サービス「ウィーチャットペイ(WeChat Pay)」の領収書データを撮影した画面写真とともに、「ウィーチャットペイは、ブロックチェーン上にレシートを記録すると発表した?」とツイートした。CZによると、この領収書にはトランザクション(取引)履歴を確認できるブロックチェーン・エクスプローラーへのリンクが含まれているという。

CZは何を気にしているのか?

CZの今回の指摘は、バイナンスが、中国のユーザー向けにウィーチャットと中国決済大手アリペイから仮想通貨ビットコイン(BTC)を購入できるようになったと10月9日に発表したことと関係があるだろう。

しかしアリペイは、ビットコインなど仮想通貨に関する全ての決済を禁止すると10月10日に発表。OTC(店頭)取引で不法行為がないか監視していると強調した。またウィーチャットは5月に仮想通貨取引を違法として禁止する方針を打ち出したことが報じられており、請求について何らかのブロックチェーン技術を利用しているという可能性を示す情報はない。

ウィーチャットへの非難? 歓迎?

CZは、ブロックチェーン技術を実装しながら仮想通貨取引の禁止を発表した二面性やちぐはぐさのため、ウィーチャットを非難しているのかもしれない。あるいは、仮想通貨に対する公式な姿勢にもかかわらず、ブロックチェーン技術の採用を続けるウィーチャットを歓待しているという可能性もある。

なお、CZのフォロワーによるコメントの中には、ウィーチャットとブロックチェーンネットワークの接続は、中国発の仮想通貨ヴィチェーン(VeChain)のブロックチェーン技術で強化できると指摘するものがあった。仮想通貨メディア「ニュースロジカル」によると、ゲームや決済アプリなどをダウンロードせずにウィーチャット上で動作させられる仕組み「ミニプログラム」(微信小程序)を利用し、ヴィチェーンがブロックチェーン基盤の電気自動車オーナー向け環境保護アプリを2019年1月に公開している

翻訳・編集 コインテレグラフ日本版