中国の大手ソーシャル・ネットワーキングおよび決済アプリであるWeChatが、中国の中央銀行デジタル通貨(CBDC)を決済サービスに追加した。現地メディアが報じた。アリペイに次いで2番目の決済プラットフォームとなった。
この機能により、ユーザーはWeChatの特定のプログラムでの支払いにデジタル元を使用できる。試験的に導入されたデジタル人民元 (パイロット版) アプリの「ウォレットクイックペイメント管理」ページでは、現在アクセス可能な加盟店プラットフォームが94件表示されており、「決済プラットフォーム」の項にWeChat Payが追加された。WeChat Payで、マクドナルドでの注文や請求書の支払いなど、特定のアプリで人民元決済が可能になった。
ユーザーは、WeChatペイウォレットの高速支払い機能を有効にするために、デジタル人民元ウォレット運営会社にWeChatと連携した携帯電話番号の同期を許可する必要がある。有効化されると、デジタル人民元をサポートする加盟店への支払いは、WeChatアプリから行えるようになる。
「中国の消費者はWeChat PayとAlipayの利用率が高いため、新しいモバイル決済アプリに乗り換えるよう説得するのは現実的ではない」と、戦略顧問会社Trivium Chinaのアナリスト、Linghao Bao氏は述べた。「そのため、中央銀行が独自に行うのではなく、WeChat PayやAlipayと手を組むのは理にかなっている」
e-CNYとしても知られるデジタル人民元は、少なくとも中国の26の省と都市で試験的に導入されている。このトークンは、2023年の旧正月のショッピングシーズンに、当局からのe-CNYの配布に助けられ、中国のeコマース・プラットフォームでの取引量が急増した。