規制当局は仮想通貨規制に対する考え方を変えなければならない。

パリで開催されたV20のパネルディスカッションで、XRegコンサルティングのシアン・ジョーンズ氏は、金融活動作業部会(FATF)に対して「仮想通貨を使ったマネーロンダリングやテロ資金供与のリスクに対処するため、完全に新しいアプローチを見出さなければならない」と話した。

ジョーンズ氏は、FATF主導で仮想通貨業界で導入が進められるトラベルルールについて、SWIFTが世界的に普及し始めた時代にできたルールであり、必ずしも今の時代に合っていないと主張。SWIFTの創業メンバーは15カ国にわたる239の銀行であり既に確立され成熟した業界だったが、FATFがVASP(仮想資産サービス提供者)と定義する実体ははるかに若い産業であると指摘した。

このためトラベルルールの仮想通貨業界によるすみやかな実施を期待することは「私の理解を超えている」と述べた。

DeFi規制にも懸念

またジョーンズ氏は、DeFi(分散型金融)など新たな仮想通貨サービスに対する規制の難しさにも言及。ビットコインやイーサリアムなど「分散型」という仮想通貨の原点に回帰するようなプロジェクトであり、「FATFがマネロン回避のために実行しようとしていることと根本的に相容れない」と話した。

「(開発者やユーザー、規制当局は)目を覚まして、コーヒーの香りを嗅ぐべきだ」

その上でDeFi開発者とユーザーに対して、一致団結してFATFに効果的なフィードバックをするべきだと述べた。

翻訳・編集 コインテレグラフ ジャパン