世界的な決済代行機関の大手であるVisaは、複数の仮想通貨、ステーブルコイン、中央銀行デジタル通貨(CBDC)にも接続可能なブロックチェーン間の「ユニバーサル・アダプター」となることを目標とするプロジェクトを発表した。
Visaの研究チームは、30日の発表で、「ユニバーサル・ペイメント・チャネル 」(UPC)構想に取り組んでいることを明らかにした。UPC は、複数のブロックチェーンネットワークを接続し、さまざまなプロトコルやウォレットからのデジタル資産の移動を可能にするブロックチェーンの相互運用ハブである。
「テーブルの同席者全員で割り勘にするとき、各人が異なる種類のお金を使用しているとしたらどうだろうか。スウェーデンのeクローナのようなCBDCを利用している人もあれば、USDCのようなプライベート・ステーブルコインを好む人もいる」と、Visaは書面で述べ、さらに、UPCプロジェクトによってそのようなツールが「そう遠くない将来」「現実となるかもしれない」と付け加えている。
Visaの研究チームと製品チームが開発したUPCプロジェクトは、異なるブロックチェーンのネットワーク間に専用の決済チャネルを設立することで、国家間のCBDCネットワークを接続し、CBDCとプライベート・ステーブルコインのネットワークをも接続するように設計されている。
Visaの研究チームは、そもそも2018年にUPC構想への取り組みを開始しており、基盤となるブロックチェーンメカニズムから独立して運営される相互運用の枠組みを開発中である。
「このUPCソリューションが最終的に目指すところは、ブロックチェーンネットワークのネットワークの1つとして機能することである。それがVisaのネットワークに由来するものであろうと、あるいはそれを超越したものであろうと、複数の形態のお金の移動に付加価値をもたらすものである」と述べている。