愛らしい「仮想子猫(クリプトキティーズ)」と呼ばれる異なった性格の猫のイラストを集めるゲームがイーサリアム上で人気を博している。11月28日の立ち上げ以来、イーサリアム上で2番目に人気のアプリとなっており、同ネットワーク上の4%の取引量を占めているという。

 猫の性格や気質は「仮想ゲノム」と呼ばれる遺伝情報としてイーサリアム上でプログラムされる。これには生体的特徴や形状に関する情報を含む。ユーザーは異なった種類の仮想猫を育てることができ、潜在的には40億種類の猫を育成できるという。

 「ワールドオブウォークラフト」のようなオンラインゲームでも仮想の剣や鎧(よろい)を買えるように、仮想子猫も実際にお金で取引することができる。

 一部の仮想子猫は5000ドルの値がつくこともあるという。

 ただしこれまでのオンラインゲームと違うのは、イーサリアム上で運営されるため、ゲーム運営会社が突然閉鎖してもトークンとよばれる一種の仮想通貨である仮想子猫は生き続けることだ。

 同ゲームの技術担当者は、開発者でも仮想猫のシステムを都合よく操作することはできないとしている。

仮想子猫経済は非中央集権化されており、開発チームでも悪意をもって操作できない。また、開発チームの中で仮想子猫育成アルゴリズムについての知識を有する者はゲームをすることが禁止されている。

 同開発チームのマーケティング部長のエルサ・ウィリク氏は次のようにのべている。

このゲームは今日のICO市場への一種の皮肉をこめた批判だ。

 長期で育成できる仮想子猫のゲームは、ICOで大儲けを狙う仮想通貨(トークン)投機の風潮への皮肉が込められているらしい。

 このようなユーモアあふれるやり方で、若い世代に仮想通貨が広まっていく可能性がある。