スマートフォンの紛失・盗難時などのSIM再発行を悪用したハッキング(通称SIMスワップ)。攻撃対象者のスマホが乗っ取られ、仮想通貨を盗まれる被害が何度も発生している。

被害者の1人であるマイケル・テルピン氏は、通信業界を監督する米連邦通信委員会(FCC)に対して、SIMスワップへの対応を進めるよう求める書簡を送った。

コインデスクがテルピン氏の書簡を公開した。それによれば、テルピン氏はFCCの委員長に対して、SIMスワップへの対策を取り、このタイプの詐欺行為を終わらせるように求めた。

SIMスワップの事件では、通信会社の従業員がハッカーに協力しているケースもあった。そのため、テルピン氏は次のような改善策をFCCに提案した。

1.米国のすべての携帯通信会社は、従業員から顧客のパスワードを隠すように義務付けること

2.SIM情報を転送する際には、通信会社の詐欺防止部門のチェックを行う必要

3.SIMスワップに関する通信会社改革を進めるための調査を推進すること

テルピン氏は17年6月と18年1月の2度、SIMスワップの被害に合っている。総額で2400万ドル相当の仮想通貨が盗まれたとし、補償を求めて米通信大手AT&Tを訴えている。テルピン氏の事件では、SIMスワップの実行犯らは逮捕されており、民事訴訟でも訴えられている

翻訳・編集 コインテレグラフ日本版