ベネズエラが発行する原油に裏付けられた仮想通貨ペトロは、仮想通貨ダッシュ(DASH)の露骨なパクリであるという声が上がっている。通貨危機に直面するベネズエラのマドゥロ大統領はペトロを経済改革の一環として位置付けていて、今月から「国際取引」で利用されると述べていた。

パクリ疑惑を最初に指摘したのはイーサリアム(ETH)の開発者ペトロのホワイトペーパーの11ページにある図が、Github上にあるダッシュのレポジトリーから丸パクリされたものだという。

(引用元:ダッシュのホワイトペーパー)

またCCNによるとダッシュと同じX11マイニングアルゴリズムを使っているほか、ダッシュの機能の一つである「インスタント送金(Instant Send)もデフォルト機能として取り入れているという。この即時取引機能についてペトロのホワイトペーパーは「最も重要な特徴の一つ」と位置付け、あたかも自分たちが開発したかのように書いている。

「ペトロの最も重要な特徴の一つは、インスタントな送金だ(5秒以内)。革新的な進歩であって既存の仮想通貨と比べても効果は大きい。デフォルトで起動するようになっていて、最初の取引から使えるだろう」

さらにペトロは、ダッシュと同様にプロジェクトの方向性を決定するマスターノード制を導入。ダッシュではブロックがマイニングされた時、報酬の45%をマイナーに、45%をマスターノードに配分し、殘りの10%は月末まで保存される。一方、ペトロでは85%がマスターノードに配分され、残りの15%は「初期」からいたユーザーに支払われるという。

ダッシュは、匿名性と取引の即時性が特徴の仮想通貨。現在の時価総額は12位だ(引用元:CoinMarketCap)。8月に南米の携帯会社と契約するなど南米での存在感が高まっているほか、北米アメリカで急成長中の大麻市場における交換手段としても注目を集めている

一方、ペトロに関してはマドゥロ大統領の主張にもかかわらず、世界のどの主要仮想通貨取引所でも取引されていないばかりかベネズエラの原油による裏付けもまだ得られていないといった報道がなされている