仮想通貨ダッシュ(DASH)の価格が急騰している。27日に南米の携帯会社との提携を発表した他、ハイパーインフレーションに苦しむベネズエラでの普及が進んでいること背景にあるとみられており、今後南米における仮想通貨の普及に対してダッシュが果たす役割が大きくなるかもしれない。

(ダッシュ(DASH)価格の推移(1週間) 引用元:Coinmarketcap)

ベネズエラでは外貨不足などによってハイパーインフレが止まらず、国際通貨基金(IMF)は今年インフレ率が年率100万%になると予想。打開策としてベネズエラ政府は、原油価格と連動した仮想通貨ペトロを導入。17日にはペトロとペッグした新通貨「ボリバル・ソベラノ」を発表し、実質的に96%の通貨切り下げにを行った。

しかし国民が選んでいるのは、「ボリバル・ソベラノ」ではなくダッシュだ。毎週100近い業者がダッシュによる決済を受け入れているという報道もある。CCNによると、ビットコインや他の仮想通貨と比べて決済を承認するまでにかかる時間が短いことが好まれている。

2017年末以降、ビットコインの決済にかかる時間は20分から1時間でイーサリアムは平均4.49分である一方、ダッシュは平均2分30秒しかかからないという。法定通貨への信用を無くしたベネズエラ人は、ショッピングや食事など普段とほぼ変わらないスピードで生活をするためにダッシュを重宝しているという。

またダッシュは27日、南米の携帯会社クリプト・モーバイルとの提携し、ウォレットなどダッシュのエコシステムが搭載されたスマホを製造すると報じられており、こちらもダッシュ価格上昇の材料とみられている。

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