あるベネズエラ国民によると、政府がエアドロップ(無料配布)した官製仮想通貨ペトロ(PTR)の売買を行っているという。政府は1PTRあたり60ドル(約6600円)に固定しているものの、P2P取引所ローカルビットコインにおいてその半額の30ドル(約3300円)で売買しているそうだ。

米SNS「レディット」の投稿によると、2019年12月、約600万人にPTRのエアドロップが行われたそうだ。当初政府は、指紋認証対応POSシステム「バイオパゴ(Biopago)」を介しPTRを使った買い物を許可していたが、対応する店舗が少ない上に多くの人々が殺到したこと、ドル/ボリバル・フエルテ為替レートの悪化からすぐに中止されたという。公式ウォレット「ペトロビレテラ(PetroBilletera)」によるPTRの利用もできなくなったそうだ。

このためベネズエラ国民の中には、ローカルビットコインでPTRを売買しているものがいるという。PTRによるビットコイン(BTC)購入を受け入れていた者もいたが、1月20日までにはすべて表示されなくなってしまったようだ。

(出典: P2P取引所ローカルビットコイン

コインテレグラフでは、ローカルビットコインの売り手のひとり、エルネスト・ピントに取材を行ったところ、PTRを使ったBTC購入を受け入れていたという。

同氏によると、PTRをサポートするベネズエラの取引所アンバレスコイン(Amberes Coin)の価格を基に、1PTR=約30ドル=0.0036BTCとしたそうだ。

しかし、政府のエアドロップによる過剰な販売圧力が原因で、PTRの扱いに苦労しているという。ピントは、以前受け取ったPTRが売れないため、これ以上PTRは受け入れないそうだ。

「大多数の者は、政府のエアドロップで得たPTRを売りたがっている。800万人のベネズエラ国民が、物を買いやすいボリバルを望んでいる」

ピントは、PTRに関する議論、また売買できるテレグラム上のグループを紹介した。そこでは、あるユーザーが、ベネズエラ第2の都市マラカイボでの情報を求めていた。

「マラカイボに、食料・米・小麦粉・砂糖をPTRで売ってくれる者はいないか?」

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン

 

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