米リップルの発表によると、ステーブルコインUSDCが6月13日、XRPレジャー(XRPL)上で正式にローンチされた。これにより、ドル連動型のUSDCが、レイヤー1のブロックチェーンであるXRPL上でも利用可能となった。

この統合により、投資家はXRPをブリッジ通貨として活用し、分散型取引所(DEX)間でステーブルコインをシームレスに移動させる「オートブリッジ機能」が利用できるようになるという。リップルXのシニア・バイス・プレジデントであるマルクス・インファンガー氏は次のように述べた。

「ステーブルコインは、従来型の金融市場と仮想通貨空間をつなぐ主要な入り口であり、投機ではなく実用性に焦点を当てたユースケースにとって不可欠な存在だ」

USDCのXRPL対応は、米国での包括的なステーブルコイン規制の整備が本格化するなかで発表された。ステーブルコイン市場全体の時価総額は2370億ドルを超えており、地政学的およびマクロ経済的な影響力も増している。

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ステーブルコイン市場の概要  Source: RWA.XYZ
 

ステーブルコインがドル防衛の要に

ステーブルコイン発行者は、米ドル連動型トークンの裏付けとして短期の米国債を購入し、その利回りを利益として得ている。

一方、米国政府の信用力への懸念やドルの価値低下を背景に、外国政府などが米国債を売却する「脱ドル化」の動きが進んでいる。こうした動きに対し、米議会内ではステーブルコインを「ドル防衛の切り札」として位置づける意見が強まりつつある。

外国による米国債の大量売却が進めば、投資家は政府への貸付に対して高い金利を要求するようになり、債券利回りは急騰する。これは政府にとっての利払いコストを押し上げ、総額36兆ドルの政府債務の維持をさらに困難にする。

その結果、元本の増大と財政赤字の拡大を招き、政府が借金返済と予算執行のために通貨を発行し続けるという悪循環、すなわち「債務のマネタイズ」が加速する。

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米国10年債利回りの推移. Source: TradingView

こうした状況を受けて、今年3月7日にホワイトハウスで開催された仮想通貨サミットにおいて、米財務長官のスコット・ベッセント氏は「ドルの基軸通貨としての地位を維持するため、ステーブルコイン開発を最優先課題とする」と表明した

しかし、ただ仮想通貨コミュニティの中ではこのような動きを批判する声もある。著名なビットコイン(BTC)支持者マックス・カイザー氏は、こうした取り組みは「ドルの終焉を先延ばしにするに過ぎず、根本的な救済にはならない」と批判している。

カイザー氏によれば、金を裏付けとするステーブルトークンは、ドル連動型トークンよりも優位に立つ可能性が高い。その理由として、金はストック・フロー比率が高く、インフレや急激な価格下落から価値を守る性質があることを挙げている。

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